映画のサンプリングについて研究する:その10「映画の禁じ手」(2,046字)
『フォレスト・ガンプ』は、典型的な「サンプリング映画」である。
ここで「サンプリング映画」の定義を確認しておきたい。それは大きく三つある。
一、監督が映画好きで、「あの映画のあのシーンをサンプリングしたい」という明確な目的をもって映画を制作している。
二、場合によっては、ストーリーやキャラクターよりも、むしろサンプリングの方が優先される。その結果、ストーリーやキャラクターに思わぬ歪みが生じるのだが、それが逆に面白さにつながっている。
二、サンプリングをすることによって逆に「オリジナルな価値」がそこに宿り、映画におけるサンプリングの重要性を証明することとなっている。
ここまで見てきたように、『フォレスト・ガンプ』にはさまざまな映画のサンプリングがちりばめられているが、しかしそれら以上に重要な作品が、この映画ではサンプリングされている。それは、映画の構造にまつわるものだ。『フォレスト・ガンプ』
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