死について(1,751字)
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小学校3年生のときに親がなぜか手塚治虫の『火の鳥』をシリーズで買ってきて、マンガが大好きだったぼくはそれを読んだ。すると「鳳凰編」で「人間は死んだら輪廻転生して他の動物になるが、再び人間には戻れない可能性もある」というようなことが書かれていた。
そこでぼくは生まれて初めて「自分もいつかは死ぬ」ということに思い至った。9歳のときだ。それから3日間、ぼくは悪夢にうなされた。文字通りの悪夢だ。死んで自分が輪廻転生する夢を見たのだ。「鳳凰編」の中に主人公が夢の中で船の難破によって死ぬ場面があるのだが、それが夢に出てきた。ぼくも船で難破してミジンコに転生した。
しかし悪夢は3日でおさまった。なぜかというと、死については深く考えないことにしたからだ。ぼくは、人生において深く考えないことはほとんどないのだが、なぜか死だけは自然と深く考えることをやめられた。
それからの人生でも、たびたび死の恐怖にとらえら
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