記憶というのは、空間と深い結びつきがある。空間――取り分け幼い頃に住んでいた「家」というのは、記憶の最も深いところにしまい込まれるために、生涯忘れない。
多くの人が、住んでいた家の細部に至るまでありありと記憶している。また、頭の中で空想すると、その空想の中の家をも自由に歩き回ることができる。
そのため、その家の記憶(空間の記憶)を利用して、たくさんのことを暗記するという方法が開発された。これは「空間記憶術」とか「場所法」などといわれるが、覚えたいものを自分の頭の中の部屋に結びつけるという記憶テクニックである。
例えば、覚えたい英単語を記憶の中の家に置いていく。玄関の所には○○、台所には××、寝室には△△といった具合に、覚えたいものを家のさまざまな場所と紐付けていく。
そうすることで、人間の記憶力は飛躍的に高まる。覚えたいことの数を、飛躍的に増やせるのだ。
そんなふうに、記憶と空間というのは
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