前述したように、「部屋」というのはいろいろな作業をする場所である。寝たり、食事をしたり、家事をしたり、排泄をしたり、くつろいだり。
そして、そうした作業をする際には、たいていさまざまな道具を使う。
道具というのは、人間の能力を拡張する。人間は道具なしには暮らせないといっていいのだが、それを用いるために、人はさまざまな道具を家に収納している。
おかげで、家にはたくさんの道具がある。そして、それを使いたいときにさっと使えるようにするためには、きちんと整理して収納しなければならない。
この人と道具の関係が、人と知識の関係に似ているのである。知識も、必要なときにさっと取り出さなければならない。なかなか取り出せないと、思考効率は上がらず、従って知的生産生も高まらない。
「記憶」というと、人はたいてい「覚えること」と考える。しかし実は、「覚えること」よりも「思い出すこと」の方が重要なのだ。たとえ覚えて
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