子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第3回(1,983字)
ブラック企業は、21世紀に入ってパソコンやインターネット、携帯電話が普及していく中で急速に増えていった。それは、人々が仕事を失っていく中で生まれた現象だった。
例えば90年代の初め頃、たくさんの電話番号を暗記している人がいた。彼らは、電話をかけるときにいちいち電話帳を見なくても済むので、仕事が速かった。
当時は、携帯電話はもちろんメモリー機能付きの電話もほとんど普及していなかったため、電話をかけるときにはいちいちアドレス帳で調べなければならなかった。そして電話をかける機会も今と比べると格段に多かったため、アドレス帳を調べる時間は膨大なものとなった。
だから、電話番号をたくさん暗記している人は、仕事が速く、優秀な人と評価されていたのだ。
ところが、やがて携帯電話が普及すると、そこには電話番号を記憶できるようになった。おかげでいちいちアドレス帳を見なくてもよくなり、誰でも素早く電話がかけられる
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