なぜ勉強するのか?:その17(1,927字)
数学者に限らず、人は自ずから数学に対してある予断を持っています。それは、「数学とは厳密なものだ」という予断です。あるいは「数学とは絶対的なものだ」という予断もあります。
これは、言葉を変えれば「信頼」といってもいいでしょう。物理学の法則は、いつか覆るかもしれないので「絶対」というほどの信頼はありませんが、数学は、たとえ人類が滅んだとしても覆らないような絶対の信頼があります。今、数学の法則では「三角形の内角の和は180度」ということになっていますが、これはどれだけ歳月が経とうとも――たとえ人類が滅んだとしても――変わらないだろうという確信が我々にはあるのです。
実際、我々の数学に対する信頼には絶大なものがあります。例えば、1973年にアメリカの研究機関が地球外生物との交信の可能性を見据えて宇宙に飛ばした「アレシボ・メッセージ」という電波は、1679個のビットから構成されています。これは23と
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
コメント
コメントを書く