私たちは今、大きな価値の転換点に立っている。アベノミクスでお金は市中にあふれ出たが、その使い道がない状態だ。
それで、基本的には株にお金が集中している。昨年の株高はほとんどそれが原因だろう。
あるいは、首都圏の不動産価格が値上がりしているのも、ほとんどそれが原因だ。
お金が市中にあふれれば、お金そのものの価値は低まるので、人はそれで何かを買おうとする。そうすると、経済が活発になって景気が回復するはずなのだが、しかし今は、残念ながらお金があっても買おうとするものが少ない。なぜなら、多くの人の生活はお金なしでもほとんど満たされているからだ。それで、欲望の総量が少なくなり、商品が売れないのである。
そういう時代に、注目されているのが「中世のお大尽向けの商売」だ。中世のお大尽も、やっぱりお金は大量にあって、もう買いたいものはなくなっていた。そうしたときにでも、商売人はなんとか彼らの財布をこじあけよ
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