アメリカではセクハラが話題になっている。ハリウッドの大物プロデューサーが口火を切って、ケヴィン・スペイシーがこれに続き、今週はジョン・ラセターまでセクハラスキャンダルに見舞われた。後の二者はぼくが尊敬する数少ないクリエイターだったので、かなりショックだ。

ところで、ぼくはもう10年くらいずっとセクハラの研究をしている。ぼくに詳しい人ならご存じかと思うが、ぼくは「セクハラの限界」がどこにあるのかを、ずっと見極め続けることにかなりの労力を割いているのだ。

なぜセクハラの研究を始めたかというと、10年くらい前に「(イケメンに限る)」という言葉が流行ったとき、セクハラの境界線がどこにあるのかということに興味を持ったからだ。
というのも、イケメンが言うとセクハラではなくとも、嫌な相手が言うとセクハラになることがある。例えば、会社で部下の着ている服を褒めただけでも、セクハラとして訴えられた例があるとい