日本の美的感覚は「逆境」でないとなかなか発動しないという特徴がある。それは、空間が不足していたり物資が乏しかったり技術が未熟だったりする状況の中で、世界に互する美しさを生み出そうとしてきた結果、逆境でこそ力を発揮するような心性、あるいは美的感覚を育んできたからだ。
そのため、日本の美的感覚が発揮され続けるためには逆境に身を置き続ける必要があるのだが、しかし例えばゲームにおいては、最初はマシンが非力という逆境があったにもかかわらず、すぐに進化が押し寄せてきて、いつしか逆境が消えてしまい、日本の美的感覚が発動しなくなるということが起こった。
このことから分かるのは、逆境は必ずしも待っているだけでは得ることができず、周到に用意、もしくは準備する必要があるということだ。
そして、それが一番よく分かっている日本人クリエイターの一人が宮﨑駿ではないだろうか。彼は、日本的クリエイションが、もしくは日本の
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