[質問]
最近、いろいろな映画を観て目が肥えてきたせいか、多くの人が面白いと言っていて、アカデミー賞を何部門かでとっているような作品でも満足できない自分がいます。例えば『ラ・ラ・ランド』です。踊りのシーンやエマ・ストーンのオーディションシーンの演技も、二人の恋の顛末も満足できるのですが、何か物足りないのです。よくできていると思う一方で、その映画だけが持っている佇まいのようなものを求めてしまっているのです。でもそういうのは、ちょっと傲慢なのかな? と思ったりもします。このことについて岩崎さんはどうお考えになりますか?

[回答]
傲慢ではないと思います。ぼく自身も、幼い頃にたくさんの絵本を読む中で、絵本に対する目が肥えて、物足りなさを感じてそれに飽きたことが、絵本を卒業したきっかけでした。絵本を卒業したぼくは、『ドリトル先生』という読み物に魅せられて、その後小説家を志すきっかけになりましたし、