3年前に『部屋を活かせば人生が変わる』(以下「ヘヤカツ」)という本を書いた。
その際、実践例として部屋を提供してくれる人を募集したところ、「としひこ」さんという方が応募してくれた。それで、その方のヘヤカツをした。その様子は、この動画で見ることができます。
「ヘヤカツ」実践録 トシヒコさん(37歳・男性)の場合
それから3年が経ったのだが、先日、そのとしひこさんからメールが来た。それは、こんな内容だった(としひこさんに転載の許可をいただいております。プライバシーにかかわる部分は伏せ字にしています)。
===========
いつもいろいろ教えていただいてありがとうございます。
2013年9月にヘヤカツをしていただいたとしひこです。
実は、この度、やっと○○株式会社の契約社員への転換試験に合格いたしました。
現在は時給○○円のキャスト社員です。2017年1月からは、月給○○円、ボーナスが年に2か月分の契約社員となります。私の残業時間から割り出される想定年収は○○円です。
ただ、この契約社員の待遇は、実際はさほどの高評価ではなく、求人倍率向上の影響で、電話応対さえできれば高卒でニート期間のある人でも最初から得られる待遇です。私は入社の時期が大変悪く、人事制度変更の谷間にはまって抜け出せず、非常に時間がかかってしまいました。
入社が1か月早ければ、2015年8月には契約社員になり、100万円くらい多く稼げたはずですが、その場合はその後に会社のMVP(岩崎注:としひこさんは優秀社員として表彰を受けた)として表彰されていたかは疑問です。時間がかかったことで、かえってドラマチックな演出になったと考えれば、悪くありません。自分の人生にMVPの称号を付けることができるならば、100万円払っても惜しくありません。
契約社員への転換試験は、2015年9月、2016年5月と2回受けて不合格となっていましたから、今回は3回目のチャレンジでした。この3度目というのが、私には大変意義深く感じました。
私は心が弱く、大学受験でも司法試験でも恋愛でも2回失敗したら何でもあきらめてきました。
ヘヤカツのPVに「三度目の司法試験に落ちた」とありますが、実態はもっと情けなく、最後は三振する勇気さえなく、怖くなって逃げたというのが真実です。
法科大学院に入る前年に三振のカウントに入らなく、練習にもなるという理由で旧司法試験を1回受けていますから、それも加えれば3回にはなりますが。
新司法試験で三振するのが怖くて逃げ出した私が、3度目の昇進試験に合格した。
ここにもヘヤカツの影響が出ているように思います。
(中略)
これからのことについては、現在ゆっくりと考えているところです。
今回の合格があまりにも想定外だったので、人生の目標が定められません。株式会社○○の中でどこまでいけるのか、外に出たほうがいいのか、未だ判断ができません。
とりあえず、恋愛と結婚はしたいなと考えております。
ヘヤカツをしていただいて本当にありがとうございました。
今後とも人生のご教示のほど、よろしくお願い申し上げます。
===========
としひこさんは、かつては弁護士を目指していたが、それに挫折して勤め人を始めた。その際、最初は派遣社員だったのだが、そこから時給制の契約社員となり、今回の試験を経て、ようやく「普通の契約社員」となった。
日本の社会は、大会社であると、新卒以外にはなかなか門戸を開いてくれない。そのため、人生を挽回するのが非常に難しいのである(としひこさんも、いまだに正社員ではない)。
その意味で、としひこさんは弁護士に挫折したことにより大きな危機に見舞われた。しかし、そこからなんとか這い上がってきたのだ。それは、普通に就職するよりずっと困難な道だったろう。
としひこさんは、そのきっかけにヘヤカツがあったという。
もともと弁護士を目指していたくらいだから、頭はいいし、能力は高かった。ただ、場を読む能力が弱く、いろいろなことが滞っていた。つまらないことに引っかかって、大切なことが疎かになっていた。
だから、価値観の転換が必要だった。人間が代わる必要があった。つまらないことをつまらないと感じ、重要なことを重要と思えるような、場を読める人間に生まれ変わる必要があった。
そしてそういう人間に、部屋を活かすことで生まれ変わった。自分で発案しておいてなんだが、ヘヤカツは本当にパワーが大きいのだ。
『部屋を活かせば人生が変わる』が出てから3年が経って、としひこさんがあらためてそのことを教えてくれた。
それは、ぼくにとって最高のクリスマスプレゼントとなった。
としひこさん、ありがとう。
『部屋を活かせば人生が変わる』 - Amazon
その際、実践例として部屋を提供してくれる人を募集したところ、「としひこ」さんという方が応募してくれた。それで、その方のヘヤカツをした。その様子は、この動画で見ることができます。
「ヘヤカツ」実践録 トシヒコさん(37歳・男性)の場合
それから3年が経ったのだが、先日、そのとしひこさんからメールが来た。それは、こんな内容だった(としひこさんに転載の許可をいただいております。プライバシーにかかわる部分は伏せ字にしています)。
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いつもいろいろ教えていただいてありがとうございます。
2013年9月にヘヤカツをしていただいたとしひこです。
実は、この度、やっと○○株式会社の契約社員への転換試験に合格いたしました。
現在は時給○○円のキャスト社員です。2017年1月からは、月給○○円、ボーナスが年に2か月分の契約社員となります。私の残業時間から割り出される想定年収は○○円です。
ただ、この契約社員の待遇は、実際はさほどの高評価ではなく、求人倍率向上の影響で、電話応対さえできれば高卒でニート期間のある人でも最初から得られる待遇です。私は入社の時期が大変悪く、人事制度変更の谷間にはまって抜け出せず、非常に時間がかかってしまいました。
入社が1か月早ければ、2015年8月には契約社員になり、100万円くらい多く稼げたはずですが、その場合はその後に会社のMVP(岩崎注:としひこさんは優秀社員として表彰を受けた)として表彰されていたかは疑問です。時間がかかったことで、かえってドラマチックな演出になったと考えれば、悪くありません。自分の人生にMVPの称号を付けることができるならば、100万円払っても惜しくありません。
契約社員への転換試験は、2015年9月、2016年5月と2回受けて不合格となっていましたから、今回は3回目のチャレンジでした。この3度目というのが、私には大変意義深く感じました。
私は心が弱く、大学受験でも司法試験でも恋愛でも2回失敗したら何でもあきらめてきました。
ヘヤカツのPVに「三度目の司法試験に落ちた」とありますが、実態はもっと情けなく、最後は三振する勇気さえなく、怖くなって逃げたというのが真実です。
法科大学院に入る前年に三振のカウントに入らなく、練習にもなるという理由で旧司法試験を1回受けていますから、それも加えれば3回にはなりますが。
新司法試験で三振するのが怖くて逃げ出した私が、3度目の昇進試験に合格した。
ここにもヘヤカツの影響が出ているように思います。
(中略)
これからのことについては、現在ゆっくりと考えているところです。
今回の合格があまりにも想定外だったので、人生の目標が定められません。株式会社○○の中でどこまでいけるのか、外に出たほうがいいのか、未だ判断ができません。
とりあえず、恋愛と結婚はしたいなと考えております。
ヘヤカツをしていただいて本当にありがとうございました。
今後とも人生のご教示のほど、よろしくお願い申し上げます。
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としひこさんは、かつては弁護士を目指していたが、それに挫折して勤め人を始めた。その際、最初は派遣社員だったのだが、そこから時給制の契約社員となり、今回の試験を経て、ようやく「普通の契約社員」となった。
日本の社会は、大会社であると、新卒以外にはなかなか門戸を開いてくれない。そのため、人生を挽回するのが非常に難しいのである(としひこさんも、いまだに正社員ではない)。
その意味で、としひこさんは弁護士に挫折したことにより大きな危機に見舞われた。しかし、そこからなんとか這い上がってきたのだ。それは、普通に就職するよりずっと困難な道だったろう。
としひこさんは、そのきっかけにヘヤカツがあったという。
もともと弁護士を目指していたくらいだから、頭はいいし、能力は高かった。ただ、場を読む能力が弱く、いろいろなことが滞っていた。つまらないことに引っかかって、大切なことが疎かになっていた。
だから、価値観の転換が必要だった。人間が代わる必要があった。つまらないことをつまらないと感じ、重要なことを重要と思えるような、場を読める人間に生まれ変わる必要があった。
そしてそういう人間に、部屋を活かすことで生まれ変わった。自分で発案しておいてなんだが、ヘヤカツは本当にパワーが大きいのだ。
『部屋を活かせば人生が変わる』が出てから3年が経って、としひこさんがあらためてそのことを教えてくれた。
それは、ぼくにとって最高のクリスマスプレゼントとなった。
としひこさん、ありがとう。
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