ハックルベリーに会いに行く

台獣物語28(2,059字)

2016/07/30 06:00 投稿

  • タグ:
  • 台獣物語
28

 夜、施設の西端にある住居棟の、居室のベッドに横たわりながら、エミ子はいろいろなことを考えていた。
 エミ子の居室は、ベッドこそ二段ベッドが左右に二つの合計四床あったものの、同居者はいなかったので、エミ子は一人で寝ていた。
 部屋の左側にある二段ベッドの下段の一つに寝転がりながら、エミ子はあえてカーテンを開けたままにして、窓の外をぼんやりと眺めていた。
 隠岐の島は、湿度こそ高いものの、米子とは違って自然が豊かなので、温度はぐっと低かった。真夏であるにもかかわらず、窓を開けていれば夜は冷房が要らないほどだ。
 網戸の外からは、賑やかな虫の音が聞こえてきていた。窓は西側に向かって開いていて、すぐが下り斜面になっているので、そのまま海まで見通すこともできる。
 今日、エミ子は初めて自分やぼく以外のヲキやトモと出会った。正確には、朋美や耀蔵には会ったことはあるものの、彼らは自分たちがヲキや

ここから先は有料になります

ニコニコポイントで購入する

チャンネルに入会して購読する

  • この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

ハックルベリーに会いに行く

ハックルベリーに会いに行く

月額
¥880  (税込)
このチャンネルの詳細