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その日の夜、夕食を終えたエミ子は、一人でお風呂に入っていた。
宿泊棟にある女性用の共同浴場は、銭湯ほどの広さとまではいかないが、それでも一度に五人くらいは入れそうな大きさがあった。しかも驚いたことに、お湯は温泉なのだという。昔、この近くに旅館があって、そこで使っていたものを引いてきているらしい。
その広いお風呂にエミ子が一人で浸かっていると、後から一人の女の子が入ってきた。彼女の名前は朽木碧。少し明るめに染めた長い髪の毛の、派手な顔立ちをした、胸の大きな女の子だ。
朽木碧
「あら、こんばんは」
と碧は、エミ子を見るとニッコリ微笑んで、それから洗い場で体を洗い始めた。
その碧に、エミ子は浴槽から身を乗り出して声をかけた。
「こんばんは! 確か……朽木さんですよね?」
「『碧』でいいよ。私も中三だから、同い年のはず」
「そうなんですね! 私は、大宮エミ子といいます」
「知ってるよ
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