第五章「サバの女王」
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ぼくらは、川から飛び降りた杉並春香という女の子に頼まれて、彼女の手帳を届けに赤松小学校までやってきた。この日は日曜日であったが、学校では子供会の集会があって、そこに会長の日田朋美という女の子が来るらしい。手帳は、その朋美に渡してほしいとのことだった。
そうして赤松小学校まで来たのだが、そこで成り行きで、体育館で行われていた集会を覗き見る格好となった。
時間と場所とを考えると、今ここで行われているのが春香の言った子供会だろう。そうなると、壇上に立って挨拶しているのが、おそらく日田朋美だ。
ぼくがそこまで考えていたときだった。急に後ろから声をかけられた。
「誰だ?」
それで振り向くと、そこに一人の少年が立っていた。
少年は、小柄な体格で、背丈がぼくよりも小さいくらいだった。その上、とても痩せていた。
ただ、その顔つきは大人っぽく、長い髪の間から覗く大き
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