ハックルベリーに会いに行く

台獣物語11(2,412字)

2016/05/13 06:00 投稿

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  • 台獣物語
  • 岩崎夏海
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  • 小説
  • ハックルさん
11

 その日の放課後、ぼくらは米子駅から電車に乗ると、一〇分ほど北上したところにある皆生駅までやってきた。皆生駅近くにあるゲームセンターへ行くためだ。
 台獣が来るようになって以降、皆生は、この一帯のターミナルとして急速に発展した。
 まず、それまで浜だったところが観光客用の港に改築された。おかげで、国内はもちろん、海外からも多数の観光客が訪れるようになった。
 次いで、獣道の観光ポイントである淀江と、米子や境港といった大きな街とを結ぶ鉄道が整備された。それと平行して、皆生には高級ホテルをはじめとする高層ビルがグングンと建ち始め、今や西日本一の観光都市へと変貌を遂げた。
 そのため、人々は米子駅周辺の古くからある街並みを「旧市街」、新しく発展した皆生を「新市街」と言って区別した。
 その、「新市街」皆生駅を出てちょっと歩いたところに目的のゲームセンターはあった。
 一九七〇年代の終わり頃、イン

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