世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その18(1,950字)
『巨人の星』が大ヒットしたことを受け、『少年マガジン誌』はこれに続く新たな人気作品を生み出そうと考えていた。そうして始まったのが『あしたのジョー』である。
『あしたのジョー』は、原作が『巨人の星』と同じ梶原一騎。当時はまだ『巨人の星』が連載中だったので、こちらは別名義の高森朝雄で書いていた。
『少年マガジン』誌が梶原一騎を原作に起用したのは、ズバリ、『巨人の星』のような作品をもう一つ作ってほしいと期待したからだ。
そして、作画はちばてつやが担当した。この起用にも意味があった。
ちばてつやは元々、『少年マガジン』誌で『ちかいの魔球』という野球マンガを描いていた。『巨人の星』は、この『ちかいの魔球』の大きな影響を受けている。先行した『ちかいの魔球』を分析し、それを進化させたのが『巨人の星』だった。そのため、この両作には、舞台がプロ野球の巨人軍であることや、主人公が投手でありなおかつ魔球を操るこ
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