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* 堀潤のテレビでは言えない話 vol.40 *
~「混迷するイラクの今後について考える」の巻~
発行:8bitNews 2014.8.17 (ほぼ日刊)
http://www.facebook.com/8bitNews.HORIJUN
http://twitter.com/8bit_HORIJUN
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皆さんこんにちは。
お盆も休みもそろそろ終わりますがいかがお過ごしですか?
僕は8bitNewsとLe toitの共催で行っている発信向上プログラム「ジャーナルツーリズム」の参加者向けに、編集ワークショップを行いました。
先月、参加者の皆さんと共に福島県いわき市を訪ねました。
農業、漁業、商工業の各現場を訪ね、津波や原発事故から立ち直ろうと奮闘する当事者の皆さんから直接話を聞きました。参加者の中には、震災後はじめて福島県を訪れた人、震災直後にボランティアで訪れて以来3年ぶりに現場を訪ねる人、ご両親が福島県出身という人など状況は様々。
「取材者」として現場と向き合う事で、普段の雑談レベルの会話とは違った難しさを皆さん色々と感じ取ってくれたようです。
参加者達が制作した映像は完成次第、8bitNewsのWebサイトや、tvk・テレビ神奈川の「ニュースハーバー」などで紹介します。
今回の編集ワークショップでは、Macの編集ソフト「Final Cut Pro」を使ってイロハから学びました。
8bitNewsの事務所には、フリーランスや市民ジャーナリスト向けに機材の貸し出しと作業スペースの提供を行っています。
今回は、Le toitの編集長でCMクリエイターの山田エイジさんによる実習からスタート。映像のつなぎ方、字幕の入れ方、BGMの差し込み方などを学んだ後、参加者たちが撮影した実際の映像を各々つないでいくというものです。
編集するということは、そのまま編集者の意図を反映させる事になります。
「バイアスのかかっていない情報が必要だ!」「中立な報道を心がけて欲しい」と普段感じてきた参加者達も、いざ、自分が編集する立場になると伝える事の難しさを実感。自分が伝えたい内容にはそぐわない主張やシーンを入れ込むべきか否か、入れ込むならどうやって盛り込めばいいのか、皆さん七転八倒しながら情報に向き合っています。
情報の受信者が、発信者として現場と向き合う事で、その人の受信力も向上するのではと強く思います。
8bitNewsでは、発信者の技術向上に向け様々な取り組みをはじめています。
ワークショップの開催にもさらに力を入れていきますので、関心のある方はぜひご参加ください。
お問い合わせはこちら。
info@8bitnews.org までお寄せください!
お待ちしております!!!
ではではそれでは本日のコンテンツをお楽しみください。
▼前回「Vol.39」へのリンクはこちらです。
[リンク] http://ch.nicovideo.jp/horijun/blomaga/ar572987
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┗■ 03.海外深読み 世界のニュースから
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シリーズ『海外深読み 世界のニュースから』。
グローバル化が進み、今や海外のあらゆる動きは
私たち日本での生活に直結しています。
ただ、なかなか普段ふれていないだけに、海外ニュースを
突然ながめていてもよくわからないという声も聞きます。
そこで、このシリーズでは、海外の時事問題を中心に、
専門家の意見や見方などをお伝えしていきます。
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イラク混迷再び マリキ政権退陣で今後はどうなる?
国際政治学者・高橋和夫放送大学教授インタビュー
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混迷が続くイラク情勢にあらたな動きがあった。イラク北部からの勢力を拡大するイスラム原理組織「イスラム国」が攻勢を強め国土の3分の1が彼らによって陥落した。そうした中、今月14日、マリキ政権が退陣を表明。フセイン政権が倒れたあと2006年から8年にわたってイラクを統治してきたマリキ氏に代わって、次の首相と目されているのがハイダル・アバディ氏。アバディ氏は混迷が続くイラクの混乱を治める事ができるのか。統治機構が代わって事態は好転するのか、J-WAVE、JAM THE WORLDで放送大学の高橋和夫教授にインタビューした。
■マリキ首相が退陣に追い込まれたワケとは?
堀)
高橋さんよろしくお願いします。
マリキ前首相が務めた8年の総括をすると、どのような評価になるのでしょうか?
高橋)
結果からするとイスラム国にあれだけの領土を奪われた訳ですから、大学の評価でいえば「不可」ですね。落第という事になると思います。
堀)
まさに国土の3分の1程度をイスラム国に抑えられてしまったという状況ですよね。
高橋)
特に、軍隊の中にいたスンニ派の幹部を追い出してマリキさんは自分の息のかかったシーア派の人たちばかりを入れて軍隊をつくって、その軍隊はイスラム国の攻勢を前にして闘わずに逃げてしまったというので、マリキ氏の評価ががくんと落ちてしまいましたよね。
堀)
スンニ派の原理組織イスラム国を抑えられなかった最大の理由とは何だったのでしょうか。
高橋)
やっぱりスンニ派地域の皆さんがマリキさんにうんざりしていて、別にイスラム国は好きではないんだけどマリキよりはいいやということで、スンニ派の部族にせよ、かつてのサダム・フセインの時代の軍の幹部にせよ、バース党の党員にせよ、そっち側の人々が神輿を担いで政府軍を追い出してしまったというところですよね。
堀)
もともとイスラム国はシリアをベースに活動していた集団ですよね。
高橋)
そうですよね。シリアとイラク国境は丁度、第一次世界大戦から今年で100年なのですが、その頃に引かれた国境が賞味期限を過ぎてきたなという感覚がありますね。
堀)
ただ、今回求心力低下のきっかけになった具体的な出来事は何だったのでしょうか。
高橋)
やっぱり戦場での敗北ですよね。バクダット寸前までイスラム国の軍がやってきて首都が危ないとか、北部クルド地域の首都、エルビルも危ないという状況が出てきて、もうこのおじさんを担いでいてもやってられないなという空気がひろがったことです。
■イスラム国を支えるアメリカ製兵器のジレンマ
堀)
ただ、アバディ氏もマリキ前首相と同じシーア派の政党に所属しているわけですが、今のイラクをどの程度まとめる力があるのか。この点は高橋さんはどうご覧になっていますか?
高橋)
アバディ氏の最大の資産は「マリキ氏ではない」ということで、人柄的にみんなとやっていけるタイプの人。といってもただの良い人というイメージではなく、例えばイスラム国の力が伸びてきてアメリカがためらっていたら「アメリカが爆撃してくれないのであればイランに頼むから」と脅しをかけてみたりなかなかのタフネゴシエーターですね。
堀)
現在のイスラム国の兵力というのは増強されてどの程度のものなのでしょうか。
高橋)
問題は色々な人がいるのでみんながイスラム国に忠誠を誓っているとはいえないんですが、一番重要なことは、アメリカがイラクの中央政府軍に供与していた戦車とか大砲など、大型の兵器をみんな手に入れてしまって、実は北部のクルド人は勇敢なのですが、大型の兵器を持っていないので反撃が難しいという状況です。ですから、イスラム国は装備面で急激に大きくなったというのが大きいですね。
堀)
イスラム国の勢力によって少数派の民族の皆さんがかなり弾圧をされて、水が飲めない、土地を奪われる、女性が暴行され連れ去られるなど厳しい状況にさらされてきたわけですが、そうした中で人道的支援として、アメリカ軍がイラク北部の空爆を行ったわけですね。そのアメリカはアバディ氏の支持を表明していますが、アメリカの狙いは何でしょう。
高橋)
一つはやはり、アバディ氏にイラクをもう一回まとめて欲しいなという気持ちが強いと思うんですよね。アバディ氏を支えて、そしてアバディ氏を通じて今のイスラム国の中にいるスンニ派のそんなに過激ではない人たちともういっぺん話をつけてなんとか中央政府の力を元に戻したいなというのが狙いだと見られています。
堀)
イスラム国の狙いについて伺いたいのですが、実をいうとイスラム国に参加している一人一人をみるとかなりの貧困で、所属する事によって生活していく、金を稼いでいくというそうした思いで参加している兵士も多いと聞いているのですが、彼らの狙いというのは高橋さんはどう分析されていますか?
■アメリカ軍が雇っていた若者が、アメリカ軍に銃を向ける
高橋)
もちろん食べていかなくてはいけないというのもあるし、マリキ氏の軍隊があまりにも酷い事をしていたというのもあると思うんですよね。ただちょっと前のアメリカ軍が撤退する前はアメリカ軍がそういう人たちをみんな雇っていて、月に200~300ドル程払っていて、アメリカ軍を撃たないでアルカイダを撃ってくれという状況だったんですね。それをマリキさんが切っちゃって、まぁ、若い人がみんな失業しちゃって仕事がないという状況を作ってしまったんですよね。ですから、
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