ひろぐ

心がマブヤーに変わった日

2014/05/09 02:48 投稿

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お久しぶりとしか言いようがない!
『ひろぐ』を更新しないままに長い月日が流れた!
だが特に弁解もない!
そういう事もある!
なので世間には空白に見えたこの時間を
敢えて説明する事などしない!
私はちゃっかりしっかり元気にひろいでいる!

写真:漁船体験ツアー
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しかも話題はまだ「沖縄」だ!
だが飽きれずにお読みいただきたい!
なにしろこれは昨日の話だ!

今年3月の「沖縄国際映画祭」以来
芸人の「宮川たま子」ちゃん
通称「たまちゃん」
とても仲良しにしている!
「沖縄」出身にして
半分「東京」半分「沖縄」な暮らしを営む彼女は
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』に出演して下さった
「宮川大助・花子」さんのお弟子さんにして
吉本興業が関わる「沖縄」でのイベントでは
常に”顔役”としてにこにこ登場する
名物芸人だ!

どういうわけか彼女とは出会う機会が多く
「沖縄」や「東京」の
色々な所で出会ううちに
すっかり仲良くなり
現在では
”今日の沖縄のお天気はいかがですか?”
といったメールのやりとりなども行っている!

昨日そんな彼女からメールが来た!
どうやら「沖縄」にいるようだった!

「テレビ中継された『PACO』を見ました!」

ちょいと不思議なタイミングだった!
と言うのもそのメッセージをもらう数時間前に
「今から録画した『PACO』を見ます!」
というメッセージを
「ボンボ」からもらっていたのだ!

「ボンボ」は沖縄吉本所属の芸人で
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』上映には
絶対に欠かせない「沖縄」スタッフだ!
何度も芸名を変えているうちに
とある吉本興業関係者から
「ころころ名前を変えるな!」
とものすごく叱られた時の名前が
「ボンボ」であったため
怖くなって
その芸名を定着させたのだそうだ!

二人の沖縄人からほぼ2時間半の開きで
それらのメッセージを受けた事は
単なる偶然でもあるまいと
あれこれと探ってみると
やっぱり!
「たまちゃん」と「ボンボ」は
二人で一緒に『PACO』を鑑賞してくれたようだった!

かくして
両名からは
熱い感想をちょうだいしたわけだが
そこから「たまちゃん」と「ボンボ」は
「松屋食堂」に行く事を私に告げた!
私はそれをたいそううらやんだ!
念を押しておこう!
チェーン店の「松屋」ではない!
「松屋食堂」という地元の食堂だ!

「沖縄市」において
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』を上映した際
「ボンボ」はその会場のすぐ近所に
自分の家があると教えてくれた!
そこはかつて日本で唯一の片仮名による市名
「コザ市」だったが
「美里村(みさとそん)」との合併により
「沖縄市」と改名された!
そこにどういういきさつがあったのかは知らないが
ほとんどの人達が
「沖縄市」という地名は使わず
今でもそこを「コザ」と呼んでいる!
実に特殊な町並みで
看板のほとんどが英語だったり
商店街の入口がタトゥー・ショップだったりする!
そんなロケーションを利用して
観客をエキストラに
映画を撮影した楽しみは
決して忘れられる事ではない!
しかも私は仕事の合間に
「コザ」の質屋に入店し
「三線(さんしん)」のケースだけを
3,000円で購入した!
いや!
2,500円だったかもしれない!
なにしろケースだけである!
まぁそのいきさつも
いずれ『ひろぐ』で記すとしよう!

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「コザなら地元ですから僕が案内しますよ!」

上映終了後に「ボンボ」がそう言って
我々を連れて行ってくれたお店が
「松屋食堂」だった!
上映と撤収作業が終了した夜間だったので
「松屋食堂」の外観がよくわからなかったのだが
今日「たまちゃん」が送ってくれた写真を
ちょいとお借りしてみよう!


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いかがだろう?
立地的にもわかりにくく
観光客が偶然辿り着く事はほぼ不可能だ!
一度行った私ですら再び一人で行く事はできない!
しかも有給休暇を取って
沖縄旅行に来たサラリーマン一家は
家族での食事に
間違ってもこの外観のお店を選ぶ事はないだろう!

「おいおいボンボ!
 大丈夫か?」

というのが正直な心境だった!
しかし恐らく今の吉本芸人の中で
最も清い心を持つ「ボンボ」だ!
社内で密かに語られる
”吉本芸人いい人ランキング”では
「西の兵動(兵動大樹
 東の川田(ガレッジセール川田)」
というのが定番だが
知名度を重視しないのであれば
私はそこに
「南のボンボ」
を付け加える事を主張したい!
(ただし響きとして
 「南のボンボ」だけが
 カルピス世界名作劇場のタイトルのようで
 並べる際には若干躊躇する!)
そんな「南のボンボ」が
本番を終えて疲れ果てた私を
おかしげな店に連れ込んで
悲しい目になど遭わせるはずがない!

写真:”南のボンボ”と私
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「僕を息子みたいに思ってくれてる人がいるんです!
 僕もその人を母親だと思ってるんです!」

どういうわけか「ボンボ」には
本当の母親がいない!
亡くなったのか出て行ったのかは
あまり深く聞こうとも思わない!
そんな「ボンボ」が母と慕う
「きみちゃん」なる女性が
「松屋食堂」を経営しており
「ボンボ」はどうしても私を
「きみちゃん」に会わせたいようだった!

店内は外観以上に店舗感がなく
座れる人数は6〜7人といったところか?
ありふれた飲食店しか知らない私にとって
そこは食堂と呼ぶよりもむしろ
”親戚の家”のように思えた!

笑顔でいるか
大声で笑うか
どちらか二つの表情しかない
見ているだけで最高に幸せな女性
「きみちゃん」が我々を歓待してくれた!
確か何一つ注文した覚えがない!
全ては「きみちゃん」にお任せした!
その出て来た料理のおいしさを思い出すと
満腹時である今に目をつむっても
胃の深くからぎゅるると音が聞こえて来る!
中でも餃子の具に”もずく”を練り込んだものは
45年間生きてきたのに
初めて感じる幸せな味がした!
「きみちゃん」はまるで実家の親のように
あれは食べるか?
これも食べなさい!
と次々と料理を運んでくれた!
そして最高に素敵な笑い声で
最高に楽しい時間を与えてくれた!

おしゃべり好きな店主のお店にお邪魔すると
一方的に店主がしゃべり続けて
うんざりしてしまう時がある!
「きみちゃん」はそんな人ではなかった!
私にも
我々の仕事にも
色んな事に興味を持ってくれる女性だった!
自分がいっぱい喋る事で
我々をいっぱい喋らせてくれる店主だった!
なのでいつの間にか
「ちょっと聞いてよきみちゃん!」
とこちらが語りたくなってしまう!
これは「話術」や「社交術」として
とても高度なテクニックだ!
だが当然「きみちゃん」は
技術を駆使しているわけではない!
他人をリラックスさせて喜ばせ
なおかつ自分も楽しくなるという
天性を持っているのだ!
なるほど!
「ボンボ」が母親のように慕う意味もわかるし
彼が私に「きみちゃん」を紹介したかった
その理由もわかってきた!

同席していた「アグー」
(現・ガブリエルみき)は
どういうわけか沖縄の行く先々で
女子中学生からは
「かわいいー!」
と叫ばれ
年配の方々からは
「うちに泊まって行け!」
だの
「うちの孫になれ!」
だのと
「大阪」では得られない人気を誇った!
我々にとっては
”うざい”だの”やかましい”だの”気性が激しい”だのと
悪評価の高い「ガブリエルみき」だが
沖縄県民にとって「アグー」は
”天真爛漫”という高評価で
多くから愛されているようだった!
案の定「きみちゃん」とは気があったらしく
大声で笑い合う二人を見ていると
親子に思えてきたほどだった!


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やがては「きみちゃん」も飲み始め
遂には「松屋食堂」からアルコール類が消えた!
みんなで楽しく騒ぎながら
全て飲み尽くしてしまった!
私をはじめ
そこにいた全員が
「きみちゃん」を愛した!
それ以上に「きみちゃん」もまた
我々に最高の愛情を見せてくれた!

「また来るからね!
 必ず来るからね!」

少しでも店主と仲良くなれば
私はたいがいそんな言葉を残して帰る!
だが結局それは実現しない事がほとんどだ!

けどだ!

「大阪」の居酒屋で飲んでいても!
ふと「沖縄」を想う事がある!
あの「首里(しゅり)」駅の飲み屋の親父と
「松屋食堂」の「きみちゃん」に
どうしても会いたくなる時がある!

だからだ!
「たまちゃん」と「ボンボ」から
”今から松屋食堂で食事します!”
と知らされた事が
どうにもうらやましくて
しょうがなかったのだ!

私はいてもたってもいられず
「たまちゃん」と「ボンボ」と
そして「きみちゃん」に向けて
少々長文のメールを送信した!
そして今の自分の気持ちを伝えようとした!
それは以下のような気持ちだった!

なんとも説明の難しい映画を上映する事で
私は「沖縄」に行く事をいつしか
”戦い”だと思うようになりました!
「沖縄」は”戦う場所”だと思うようになりました!
だから今年3月に「沖縄」に行った時にも
”戦い”に出かけるつもりで「大阪」を発ちました!
けどね!
今年「沖縄」に行った時にはね!
映画の上映も含めて
素敵な事しか経験しませんでした!
素敵な人達にしか出会いませんでした!
1年前に「沖縄」を訪れた時には
失敗や後悔だけに満ちあふれ
”復讐心”のようなものが芽生えてしまった私は
そんな心を持ち帰るのも腹立たしくなり
自分の心を「沖縄」に置き去りにしました!
だから今年はその心を取り戻しに行きました!
そしてやっと
置き去りにした心を自宅まで持ち帰りました!
復讐を果たして
さぞや勝利者の心になっているだろうと思いました!
ところがね!
そうではありませんでした!
それはびっくりするほど美しい心になっていたのです!
復讐とか怒りとか
そんな馬鹿馬鹿しい汚れが全てなくなってね!
ただただ深呼吸を欲しがる
とっても奇麗な心になっていたのです!
それはきっと
今日も「沖縄」に暮らす
今すぐにでも会いたい人達のおかげだと
強く思うのです!
今の私の心はとても「沖縄」を恋しがっています!
だから必ず!
必ずまた会いに行きます!

やがてしばらくして返信されてきた
「たまちゃん」からのメールに
私は何か不思議な力を感じた!

「こちらでは”魂”のことを
 ”マブヤー”と言います!
 1年間この地に置かれた事で
 あなたの”心”は
 ”マブヤー”になったのだと思います!」

私の中には様々な”魂”が宿っている!
遊びにかける”魂”だったり
作品を作る”魂”だったり
人に接する”魂”だったり!
そんな私の”魂”の中に
どうやら一つだけ
ラベルに書かれた文字が違う物が納まった!
私は自分の中に”マブヤー”を得たようである!
どう使う物なのかはわからないが
ある時それは
私の人生を大きく動かすに違いない!

きみちゃん!
ボンボ!
たまちゃん!
がんじゅーさしよー(いつも元気でね)!

はてさて!
『PACO』のテレビ中継から始まった
そんな美談をよそに
即興演劇イベント
「インプロビアス・バスターズ」では
同じ『PACO』の中継を巡って
どうしようもない馬鹿が繰り広げられようとしている!
「インプロビアス・バスターズ」メンバー
「山名文和(やまな・ふみかず)」君
通称「タイフーン」
「劇団ひろひょう」でもおなじみの
怪猿人「守谷日和(もりや・びより)」
通称「キャンサー」
共同生活を送るルームメイトである!
彼らもまた先日放送された『PACO』を
録画したらしく
「二人で一緒に見ます!」
と私に知らせてくれた!
そこで私は芸人である彼ら二人に
こんな提案をした!

「二人で一緒に『PACO』を見て
 先に涙を流した方が
 一方から眉間にグーパンチを受ける事!」

「インプロビアス・バスターズ」のFacebookページでは
その勝敗予想投票も行われており
結果は二人から送られて来る
グーパンチ動画で知らされる事になっている!
いつ行われるかも二人の都合次第なので
是非とも
「インプロビアス・バスターズ」Facebookページを
フォローしてお待ちいただきたい!
何の賞品もありませんが
投票も引き続き受けて受けております!

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