エピファネイア引退、繋靱帯炎の再発リスク考慮

　昨年世界ランク２位のＧ１・２勝馬エピファネイア（牡５、角居）が現役を引退して種牡馬入りすることが３０日、発表された。宝塚記念の２週前追い切り後の先月１１日に左前脚の繋靱帯（けいじんたい）炎が判明。経過を観察されてきたが、回復期間の長期化や再発の危険性などを考慮して現役続行を断念した。今日３１日付で競走馬登録を抹消され、社台スタリオンステーションで種牡馬となる。


１４年、ジャパンＣを圧勝したエピファネイア。鞍上はクリストフ・スミヨン騎手

　日米オークス馬の母シーザリオの名をさらに高めた。あまりの好馬体に、デビュー前は「ダート馬では」との声が多かったという。１３年の皐月賞とダービーではいずれも２着に敗れたが、菊花賞を勝って母子クラシック制覇を達成。昨年のジャパンＣでは４馬身差の圧勝を果たし、スミヨン騎手をして「日本で乗った馬の中でもベスト」と言わしめた。同年の世界ランクでは、首位ジャスタウェイに次ぐ２位につけて日本馬のワンツーを達成した。今年３月のドバイワールドＣ９着がラストランとなった。

　角居師は「お母さんの戦績からしたら、もう少し結果を出すことができたかもしれないというのはあるけど、繁殖として望まれて帰れる。子供で世界へ行けるような馬をつくれれば」と次世代に夢を託した。通算成績は１４戦６勝（うち海外２戦０勝）、総収得賞金は６億９８５８万２４００円（同１０７８万７４００円）。重賞は４勝。

　◆エピファネイア▽父　シンボリクリスエス▽母　シーザリオ（スペシャルウィーク）▽牡５▽馬主　（有）キャロットファーム▽調教師　角居勝彦（栗東）▽生産者　ノーザンファーム（北海道安平町）▽戦績　１４戦６勝（うち海外２戦０勝）▽総収得賞金　６億９８５８万２４００円（同１０７８万７４００円）▽主な勝ち鞍　１２年ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓ（Ｇ３）１３年神戸新聞杯（Ｇ２）菊花賞（Ｇ１）１４年ジャパンＣ（Ｇ１）▽馬名の由来　クリスマスから１２日目にあたる１月６日「公現祭」（ギリシャ語）