明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、今年2014年はいったいどんな年になるだろうか。2013年の「今年の漢字」に選ばれたのは「輪」だった。2020年のオリンピック(五輪)が東京に決まったことや、そして助け合いの「輪」という意味が理由だという。

僕が2013年の漢字を選ぶとしたら、ずばり「乱」である。国内外の災害、世界各地の紛争。そして緊張関係が続く中国や韓国……。2014年は、安倍晋三内閣にとって正念場となることは間違いないだろう。

これまで安倍首相が進めてきた経済政策「アベノミクス」は、いってみれば「富国強兵」の「富国」の部分だ。今のところ景気は順調に回復し、上昇している。今年4月の消費税増税の影響が心配されるが、7月までには景気は持ち直すと、安倍首相は語っている。自信があるのだろう。

2020年の東京オリンピックという好材料もある。次に安倍首相は、ついに「戦後レジームからの脱却」に乗り出すのではないだろうか。

「戦後レジームの脱却」とは何か。すなわち、集団的自衛権を認めるということだ。昨年12月26日、就任1年目のこの日、靖国神社に参拝したのは、その決意表明といっていいだろう。

もちろん、僕も争を知る世代として、断固として戦争には反対だ。ただし、国家の安全保障を考えねばならないということも、一方ではよくわかっている。

国際ルールを破るような国に対して、圧倒的な軍事力を背景ににらみをきかせ、「世界の警察官」の役割を果たしてきたアメリカも、いま、変わろうとしている。昨年9月、オバマ大統領は化学兵器を使用したシリアへの軍事介入を宣言した。だが結局、ロシアの仲介で軍事行動を断念したという事件が、そのことを象徴している。