〔PHOTO〕gettyimages
北朝鮮はいったい、どこまで本気なのか。今回のミサイル危機で、あらためて北朝鮮問題について不安に思った人も多いだろう。タイミングよく、米国の国防総省(ペンタゴン)が5月初め、北朝鮮の脅威について評価した報告書を公表した。これは同省が法律に基づいて議会に提出した、きわめて正式な(というのも、妙な表現だが)ものだ。
国防総省は中国については、同じような「中国に関する軍事・安全保障の展開」というタイトルの報告書を毎年、議会に提出している。だが、北朝鮮版は今回が初めてだ。それくらい北朝鮮問題を深刻に受け止めている証拠、と受け取っていい。
報告書本文は国防総省のサイトに掲載されている。全部で26ページと短いので、興味がある人はぜひ、本文自体を読んでいただきたい。ついでに言うと、英語もそう難しくないし、きれいな文章なので英語の勉強がてらに読むのもいいだろう。
(Annual Report to Congress, Office of the Secretary of Defense)
だからというわけではないが、中身の概略をそのまま紹介するのはやめて(わずか1ページの「Executive Summary」がちゃんと付いている)、私が面白いと思ったところ、かつ、たぶん読者が疑問に抱いていそうな部分を選んで紹介したい。
北朝鮮の本気度はペンタゴンにも「分からない」
まず冒頭の「北朝鮮はどこまで本気なのか」という問題だ。これまで北朝鮮は韓国の哨戒艦「天安」を撃沈したり、延坪島に砲撃したりした。今回の危機でも「撃つぞ、撃つぞ」というポーズを示したが、現在に至るまで撃っていない。ということは、やっぱり脅しだけなのか。報告書はこう書いている。
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