米ウォルト・ディズニーは、著名なファンタジー文学作品『プリデイン物語』の映画化権を取得し、プロジェクト開発の初期段階にある。本誌ヴァラエティが掴んだ。
『プリデイン物語』はロイド・アリグザンダーによるウェールズ地方の神話をベースとした児童文学で、5冊のシリーズで構成されている。主人公のタランが青春期から成長していく過程を追ったもので、1964年から68年にかけて毎年出版された。タランは豚飼育補佐をしていたが、将来、英雄になることを夢見た。
物語は古代のウェールズ地方に似た魔法の国プリデインを舞台に、死の国アヌーブンとの一連の戦いを描いている。
重要人物として、若き王女エイロヌイや吟遊詩人のフルダー・フラム、ガーギと呼ばれる奇妙な生き物などが登場する。
『ブリデイン物語』のシリーズ5冊のタイトルは、それぞれ『タランと角の王』、『タランと黒い魔法の釜』、『タランとリールの城』、『旅人タラン』、『タラン・新しき王者』である。最後に出版された『タラン・新しき王者』は、児童図書館協会が最も優れた児童文学の著者に贈るジョン・ニューベリー賞を受賞した。
サム・ディッカーマンがディズニー幹部として本プロジェクトに関わる。プロデューサー、監督、脚本家は決まっていない。
『ブリデイン物語』シリーズの最初の2冊は、1985年に公開されたディズニーのファンタジーアニメ映画『コルドロン』の原作となった。物語では、魔王ホーンド・キングが、世界征服という己の欲望のために、古代の魔法の大釜を手に入れようとする様子が描かれている。
テッド・バーマンとリチャード・リッチが監督した同作は、コンピューターで生成した映像を使った初めてのディズニーアニメ映画となった。4400万ドルの予算で製作されたが、大きな関心を集めることなく、米国内での興行収入は2100万ドルにとどまった。また、その後10年以上に渡り、ホームビデオとして販売されることもなかった。