独創的な世界観と圧倒的な画力で支持される鬼才漫画家・古屋兎丸氏のロングセラーコミック「ライチ☆光クラブ」。大人になる前の脆く、残酷で多感な思春期を描いた本作は、センセーショナルでありながらコミック発売して10年たった今も熱狂的なファンに支持されています。2月13日からは満を持して映画が公開。筆者は一足お先に観てきましたが、原作を忠実に再現した世界がとにかく凄すぎる!
物語の舞台は、黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地”光クラブ”。大人のいない世界をつくろうとした9人の美しい少年たちによる裏切りと愛憎の物語と、彼らが作り上げた思考する能力を持つ機械(ロボット)“ライチ”と、少女カノンの恋が、美しくダークな世界観で描かれています。
野村周平、古川雄輝、中条あやみ、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音、才能に満ち溢れる最旬の若手俳優らを迎え、個性的なキャラクターを心身ともにリアルに体現し、華麗なる競演を披露。現実を超越した世界で躍動する圧巻のキャラビジュアルが解禁された際には、完成度の高さが話題となりました。
衣裳デザイン・キャラクターデザインを手掛けるのは、『るろうに剣心』シリーズや『クローズZEROⅡ』などを手掛ける澤田石和寛。光クラブメンバーのキャラクターの個性を引き出すため、ディテールの異なる学生服と学帽を用意し、各キャラクターを象徴する小道具に至るまで徹底しています。
また、独特な原作の世界観を創り上げたのは、キャラクタービジュアルだけなく、重厚なセットも大きな役割。「昭和的なノスタルジー」とも「どこかの世界の未来」とも取れるような空間を作り上げたのは、澤田石と同じく『るろうに剣心』シリーズ、『クローズZEROⅡ』などを手掛けた橋本創。「居心地の悪さ」「固さ」「空気が悪い」というキーワードに沿って、約1ヶ月に及ぶロケハンの最後に見つけた巨大な廃工場に、2週間かけて本作の舞台が構築されたとのこと。
本作の象徴といえる秘密基地の玉座は、スチームパンクの要素を取り入れ、時代性を加味して作りだされた。秘密基地は全体的に荒廃したグレーや錆色で構成されているが、玉座だけはピンクを基調。基本的な配置や構成は原作を踏襲しつつも、映像だからこそのオリジナリティを取り入れ、独創的な映像世界が実現しています。
これまでコミックはもちろん、舞台化、アニメ化等、様々なメディアで愛されてきた「ライチ☆光クラブ」。映画はどの様な仕上がりになっているのか? 「ライチ」の声は杉田智和さんが担当しているので、声優ファンも注目です!
『ライチ☆光クラブ』2月13日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
©2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会
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