この者のフォースは強い――12月14日(現地時間)の夜、J・J・エイブラムス監督が手掛ける待望の映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のワールドプレミア上映が行われ、劇場を後にしたファンからは圧倒的にポジティブな意見が聞かれている。
ドルビー・シアターの2階席で鑑賞していた女優のジーナ・デイビスは、映画が終わるとすぐに「すべてが素晴らしかった」と大声を上げ、「特にレイが」と、デイジー・リドリーに関して言及した。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はハリウッド・ハイランドにある3か所のシアターで世界初上映され、シリーズ初参加のジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アダム・ドライバーもまた、会場の観客から大きな声援を受けた。中には、エイブラムス監督の“昔風の”撮影手法を称賛する者もいた。
その夜の最も大きな反響は、旧3部作の監督と出演者たちに向けられた。劇場に入ろうとするキャリー・フィッシャー、ハリソン・フォード、マーク・ハミルに対して建物を揺るがすほど大きな叫び声が上がり、ストームトルーパーの格好をした集団や熱狂的なファンたちがハリウッド大通りを埋め尽くして手を振った。
米ウォルト・ディズニーが12月16日(現地時間)の朝まで口外禁止を呼びかけたにも関わらず、案の定、プレミア上映が終わるとツイッターの投稿がすぐさま殺到した。
コメディアンのパットン・オズワルトは、「JJがやってくれた」と、ツイート。
テレビドラマ『ザ・オフィス』のレイン・ウィルソンは、「最高で、素晴らしくて、完璧だった」とコメントした。
カート・コバーンのドキュメンタリー映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』のブレット・モーゲン監督は、さらに一歩踏み込んで、「旧3部作以来、一番の大成功作だ」と語った。
この日の出席者には、スパイク・リー監督、マシュー・マコノヒー、ロサンゼルス市長のエリック・ガルセッティ、顔面を緑色に塗ってヨーダの格好をしたジョゼフ・ゴードン=レヴィットなどがいた。
プレミアイベントは午後7時9分から本格的にスタートし、米ウォルト・ディズニーのCEOロバート・アイガーがステージに登場した。彼は38年前の夏に『スター・ウォーズ』を始めて鑑賞したことを振り返り、「あるひとりのたぐいまれな才能、度胸、素質、ビジョンがなければ、こんな映画が作られることはなかった。ジョージ・ルーカス監督だ」と語った。
スティーヴン・スピルバーグ監督の隣に座っていたルーカス監督は、ドルビー・シアターの観衆からの拍手喝采に応えた。
アイガーは、「最も高くそびえ立つ我々の夢と期待を上回る映画を生み出してくれた」と、エイブラムス監督にも感謝の言葉を述べた。
アイガーとルーカスフィルムの社長キャスリーン・ケネディに続き、エイブラムス監督がドルビー・シアターの観客に話しかけた。彼は、「この非常にささやかなイベントをみなさんと共に過ごせることを誇りに思います」「近隣住民にお詫びをしなくては」とジョークを飛ばした。
エイブラムス監督は両親に対し、「10歳の頃に『スター・ウォーズ』を観に連れて行ってくれてありがとう。まさに英断だったよ」と感謝した。彼の父親はその会場に足を運んでいた。その後、エイブラムス監督は作曲家のジョン・ウィリアムズ、脚本家のローレンス・カスダン、そして映画の出演者たちを紹介。上映に向けて出演者がステージを降りる中、最後まで残っていたのは、R2-D2と新しいドロイドの仲間BB-8だった。
米ウォルト・ディズニーは招待したゲストに対応するため、ハリウッド大通りを封鎖して3か所の劇場を押さえ、3倍の規模で今回のプレミアを開催した。チケットを手に入れた幸運なファンたちは早くから詰めかけ、TLCチャイニーズ・シアター、エルキャピタン・シアター、ドルビー・シアターにて午後6時30分から上映されるのに向けて、午後5時からの入場を求めた。
ロサンゼルス市警察は会場の監視のために50人の警官を出動させ、アカデミー賞並みの警備体制を敷いた。
米ウォルト・ディズニーは、上映した直後に巨大なテントの下でパーティーを開催。ドルビー・シアターから出てきたファンたちは、その催しにも招待された。
プレミア上映の詳細や『スター・ウォーズ』サーガのエピソード7に関する詳細は極秘とされている。
集まったファンたちは、早くからこのイベントを楽しんでいた。チャイニーズ・シアターの広場に1週間以上も前から並ぶ人たちもいた。ジェダイのローブを着るものもいれば、ストームトルーパーの格好をする者もいた。ファンは世界中から集まり、その中のオーストラリア人カップルは、プレミア上映のちょうど1時間前に『スター・ウォーズ』をテーマとした結婚式を挙げた。キャロライン・リッターとアンドリュー・ポーターズは、チャイニーズ・シアターの広場で、ストームトルーパーの儀仗兵たちを前にして結ばれた。ダース・ベイダーが花嫁と付き添って祭壇まで歩いた。
ジョージ・ルーカス監督が創設したルーカスフィルムを2012年10月に米ウォルト・ディズニーが買収して以降、ずっと増大し続けた膨大な期待と共に初上映が迎えられた。40億ドル契約によって、ルーカス監督は個人株主として2番目に多く同社の株式を保有することになった。アナリストの中には当初、CEOのロバート・アイガーは支払い過ぎであると、買収に対して懐疑的な見解を示す者もいた。
しかし12月18日の一般公開に向け、予想家は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』がシリーズで最高というだけでなく、世界歴代興収トップを誇るジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』の記録、28億ドルを打ち破るだろうと予測している。ワールドプレミアに参加した観客の反応から判断するに、フォースは確かに目覚めたようだ。