『Twitch Prime』はAmazonプライム会員向けの特典です。大きな特徴はAmazonプライム会員であれば追加料金を必要とすることなく、特典付きでコンテンツを利用できること。
『Twitch Prime』の主な利用可能サービス内容はこちらです。
・広告の非表示化
・1ch・30日ごとのTwitchチャンネルへの無料スポンサー登録
・チャット優先権
・スタンプ、バッジなどの専用特典
以上はユーザー側へのメリットですが、コンテンツの送り手側にとってはTwitch Primeの課金が増えるチャンスが起きる事により、広告だけに頼らない安定収入増大というメリットもあります。
この発表に際し、TwitchのSVP(シニア・バイスプレジデント: 上席副社長)のMichael Aragon氏にお話を伺えました。
Michael Aragon(以下Aragon): Twitch Primeは2016年にアメリカからサービス開始となりました。それ以降、50%の課金が増加しました。これはクリエイターにとって、ファンからの安定した収入が期待できる結果となりました。このことによって、クリエイターが安定した収入を得られることに繋がっていると考えています。Twitchは常に「クリエイターが増えてほしい」と思っています。Twitch Primeにより、まだライブストリームをTwitchで行ったことのないユーザーを援助できるとも思っています。
―― 今回の特典は何でしょうか?
ユーザー側の特典として、12月には『ポッ拳トーナメントDX』や『鉄拳7』などのスタンプ、『ハースストーン』のカードパック、『アサシンクリード オリジンズ』『オーバーウォッチ』のゲーム内アイテムの使用などを準備しました。『ポッ拳』や『鉄拳』のスタンプも含め、グローバルでの展開となっています。
―― これらは定期的にあるサービスなのでしょうか?
Aragon: 毎月1日に確実に来る、という性質ではありませんが、ほぼ毎月、定期的にあると考えていただいて大丈夫です。Amazonプライムに入っている方は、追加課金なしでAmazon側で設定ボタンを押すだけで手続きが完了します。
―― 海外には既にTwitch Primeが始まっていますが、海外向けゲームタイトルに対して既に適用されているTwitch Primeのサービスも今回適用されますでしょうか?
Aragon: モノによってはアメリカのものもあるし、グローバルなものもあります。
―― 今後、日本限定のものもありますか?
Aragon: まだ具体例を挙げられるわけではないですが、ケースバイケースでやっているので無いとも言い切れないですね。
―― 日本のユーザーは滞在時間が長い(※)と言った特徴があると聞きました。日本向けの独自サービスが増える可能性はありますか?
※グローバルの滞在時間は106分/dayなのに対し日本のユーザーは300分/day、ユーザーのコメントは年間でグローバルの2倍ある
Aragon: Twitchはなるべくローカライズはしたいと考えています。その国に特徴があるからこそやりたい、この国だからこのこのことをやりたい、といったことは考えています。そのことは念頭にありますがアナウンスするものはまだ無いですね。ただ、大いにありうると思っています。
―― 日本のユーザーが特徴的というお話がありましたが、Twicth全般を通して人気ゲームタイトルの特徴はありますか?
日本で特徴的なのは格ゲーですね。『ストリートファイター』はグローバルだと15位くらいなのですが、日本ですとTop5にランクインします。この点が大きな違いですね。ほかの格ゲーも日本では上位に来ます。そのほかのタイトルで言うと『PUBG』(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)は結構異常で、世界中どこでも大抵一番になっていますね(笑)。『リーグ・オブ・レジェンド』が色々なところで人気があるというのは日本でも変わりません。結構な人が見ていますね。あとは『FF14』はアップデートのときにすごく人気になりました。日本はイベントで左右される傾向があるようですね。
―― 日本は賞金などの問題もあり、eスポーツ市場が遅れているという印象があります。プレイヤーを育てるコミュニティーが大切だ、と考えているTwitchとして、日本のeスポーツ市場の遅れはどう考えていますか?
Aragon: Twitchは日本がeスポーツ市場において遅れているとは考えていません。賞金をアナウンスしづらい側面といった、いわゆる「大人の事情」があると感じています。賞金で「プロだ」というのをアナウンスしづらい事情は理解しています。Twitchとしては、プレミアムな大きな大会はもちろんですが、ローカルな大会の支援などを行い、参加できるプレイヤーを増やしていけるように取り組んでいけるようにしたいと思っています。
時間が経てば「これはギャンブルではなくスキルなのだ」ということを然るべき人が働きかけてくれる、整備されるとも思っている。その時のために土台を整備していきたい。
―― ゲームという市場やコミュニティが大きくなるためには、eスポーツが重要であると考えていますか?
eスポーツがゲーム全体の面を拡大するのに大事な要素があると思っています。それは「一つの瞬間に大量の人が観に来る」ということですね。それはワールドカップですとかオリンピックと同じで、例えば『リーグ・オブ・レジェンド』のWCSとか、同時視聴を100万を超えるようなイベントですね。みんながその話をしている、チケットが完売していて満員になる、そういった現象が起きるから大事だと思っています。いろんな人が観に来て他のコンテンツやクリエイターを見てファンになる、そういったことが大切です。そしてプロ、アマを問わず一人一人のプレイヤー、ただの面白く実況している人達がファンコミュニティーを作っていることも、ゲーム全体が大きくなるには同じように大事だと思います。そういったことに最適なツールとしてTwitchを活用してほしいと思いますね。
―― ローカルな話ですが、先日、日本の動画サービスである『ニコニコ動画』がアップデートを発表しました。その際、ユーザーから大きなバッシングを受けるという出来事がありました。Twitchはユーザーに対してどのようなプラットホームを提供ができるのか、何を大事にしていて何を目指しているのかを聞かせてください。
Aragon: 我々は他のプラットホームが何をしているのかについてはコメントしません(ポジティブな意味で気にかけていません)。Twitchは「今使っているユーザーが要求していることに応える」ということをひたすらやっています。例えばTwitchがゲーム以外のジャンルを解禁したきっかけは、ユーザーからの要望でした。もともとCEOであるEmmett(Emmett Shear)は「リアルタイムにみんなで色々な事を共有する」という「リアルタイム エクスペリエンス」というのを大事にしています。当初はゲーム実況だけでしたが、ゲーム実況以外の事もTwitchでやりたい、ゲーマーだけどゲーム以外の興味もあるというファンが言っていることを拡張してきました。そういったことが、アニメの一挙放送、スポーツの中継といったことに繋がっています。そうしたユーザーの要求は各支社を通じて本社に吸い上げられていきます。
―― 以上が今回の発表に際するMichael Aragon氏のコメントでした。
アクティブユーザー1日1500万アカウントを誇るTwitchが見据えているのは、あくまで「ユーザーからの要求」と「コンテンツクリエイターであるプレイヤー」であると強調していたのが印象的でした。シンプルでいて巨大なTwitch、新サービスの開始でまだまだ勢いが止まらなさそうです。
―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』Twitch | Twitchプライムガイド
https://help.twitch.tv/customer/ja/portal/articles/2572060-twitch%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89
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