なんだかんだ34年も生きてしまっている。
ワシ自身35になる頃には、多分路上で物乞いでもしていると確信していた。
つい数年前まで。

人間なんとかなる時はなんとかなるもんやな。
ただしワシはいつでも生かされている側であり、ワシ一人では何も出来ていないのである。

そんなワシが遂に一人暮らしをする事になった。この年で。

現段階で洗濯の仕方がわかれへん。

家に帰ると迎えに来てくれた息子や娘(にゃんこ)もおらん。
朝方のおっかけあいっこの運動会を怒る事もなければ、ワシの気を引く為にマットレスにぷりぷりウンチしてる娘を怒る事もなくなった。

スプラ中に甘えて半ば無理やり膝に乗って来て、そのせいでエイムがぶれる事も、撫でてあげてる内に愛情爆発して頬をペロペロ舐め続けられる事もなくなった。

実家から持ってきた誰も使わないケージが、唯一家のスペースを無駄食いしている。
家を出る時に空調を消す癖もつけねば。

静寂も怖ければ料理して必然的に増える洗い物も増え続ける洗濯物も怖い。
こえー。

皆全部一人でやってるの偉過ぎない?胸張って生きて、どうぞ。

でも例えようのない開放感がある。
まず、何も気にせず屁をこける。これは、凄い。

好きな時間に家を出て好きな時間に帰ってくる。
真夜中でも明け方でも勝手にコンビニ行ける。楽しい。

自転車買わな。

将来の事なんざ微塵も考えんでよくなった。
見えもしない将来を考えることで今を遮られる事の「無意義」をずっと感じていた。

なんだってしよう。
興味が湧いたこといっぱいしたり、行ったりしよう。

なんか余命宣告されたみたいな文やな。
そういえば近いうちに健康診断に行く。

もしかしたらこの記事が投稿されてる頃にはもう行った後かもしれない。

絶対カスみたいな結果出るやん。
人生の大半を夜型に過ごして、週4で仕事行って毎回ショットやらシャンパンやらガバガバ飲まされて、家帰ったら仕事やら作業して、一日まるっきり休みの日なんていつから無いのかわからん。

でも、そうでもせんとワシ風情とうの昔に社会からはみ出て子供部屋で野垂れ死んでいたかもしれない。

こんな生活を送るアホが健康診断で良い結果やったら、これからは自分のことを鉄人と名乗ります。

無性に誰かの為に何かをしたい。自分の為に。

ふと足を伸ばした時に鈴の音が鳴った。
足元を見ると昔買ってあげた首輪が落ちていて、堪え切れず馬鹿みたいに泣いた。