池袋といえば「サンシャインシティ」や「池袋ウエストゲートパーク」、繁華街などのイメージが強く、危ない印象を持っている方が多いのではないでしょうか。その池袋が、秋葉原のような「オタク文化の聖地」としての強みを活かしつつ、文化の発信拠点として再開発事業を実行しているそうです。
初めて池袋を歩いた時にはチーマーという言葉もあり、「池袋に会社があるのはちょっと…」「できれば通勤はしたくないな」と思っている方もいたのではないでしょうか?。
再開発で生まれ変わる街並みを知れば、きっとイメージが変わると思います。
そんな池袋の大規模な都市計画がスタートした経緯や、新たに完成する施設、今後のオフィスニーズに関する展望について考えてみましょう。
【消滅可能性の高い都市として名高い事で再開発を後押し】
豊島区に衝撃的な出来事が2014年5月発生しました。
東京23区内で唯一豊島区が「消滅可能性都市」に選ばれたのです。
「消滅可能性都市」は、日本創生会議が打出した「少子化や人口移動などが原因で将来消滅する可能性がある自治体」となります。具体的な基準として、20~39歳の女性の数が2010年から40年にかけて5割以下に減るなどの基準があります。
池袋は住宅情報サイト「SUUMO」の住みたい街ランキングで3位(2014年当時)を獲得していたこともあります。そのため、この選定結果に対して多くの反発の声が挙がりました。これが発奮材料となり、翌2015年には「豊島区国際アート・カルチャー都市構想」を策定。持続発展都市を目指す事になりました。
豊島区国際アート・カルチャー都市プロデューサーには、チームラボ代表の猪子寿之氏や、アニメイト会長の高橋豊氏、ナムコ取締役会長の橘正裕氏、ドワンゴ取締役CCOの横澤大輔氏など、そうそうたる面々が揃っています。
2016年には「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」を基本コンセプトとして定めました。大規模再開発の対象となったのは、もちろん豊島区の中心地である池袋です。
東京オリンピック開催が決定していたこともあり、事業は急ピッチで進行。財源が有限なため、民間企業との官民一体再開発となっているそうです。
4つの公園を再生し、カルチャーの発信地に
「劇場都市」としての構想は、商業ビルだけにとどまりません。池袋駅周辺にある東西合わせて4つの公園で整備事業が行われ、文化の発信地として新しく生まれ変わります。
1つめは、2016年に一足早くリニューアルを終えた南池袋公園。開放的な芝生の広場でくつろげるだけでなく、敷地内にはおしゃれなカフェレストラン「RACINES FARM TO PARK(ラシーヌ ファーム トゥー パーク)」もあり、憩いの場として幅広い世代から人気を集めています。
2つめは、テレビドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の舞台としても知られる池袋西口公園。「劇場公園」として2019年秋頃にリニューアルオープンしました。ステージと大型のスクリーンを使い、オリンピック観戦をはじめとするパブリックビューイングや、演劇、コンサート、フルオーケストラなど、様々なイベントが開催されています。こちらは池袋西口唯一の公園整備事業となっています。
3つめは、2019年秋頃にオープンした中池袋公園。アニメファンの女子たちが集う場所で、毎年開催されているイベント「池袋ハロウィンコスプレフェス」でも有名です。すぐ目の前にHareza池袋が完成することによって、8つの劇場に囲まれた公園として生まれ変わります。すぐ近くには乙女ロードから移転したアニメイト池袋本店もあり、Hareza池袋の完成と中池袋公園のリニューアルによって、オタク文化の中心地としてますます活気を帯びてくるでしょう。
4つめは、今年2020年春頃、サンシャインシティの裏側に完成予定の(仮称)造幣局地区防災公園です。造幣局跡地に建設されています。ヘリポートや救援物資の搬送拠点として活用できるオープンスペースを整備するなど、防災機能を備えたにぎわいの拠点として機能。フラットな広場を活用した野外イベントやペットイベント、スポーツイベントなどを開催するそう。
豊島区は、2019年の「東アジア文化都市」国内候補都市として選定されました。「舞台芸術」「アニメ・マンガ」「祭事・芸能」の3つを柱に、日中韓3都市間を中心とした交流事業を実施するなど、誰もが楽しむことができる交流イベントを展開していくとのこと。
池袋における大規模再開発は、近隣住民のみならず、東京、日本、ひいてはアジアにとっての期待であると言っても過言ではないでしょう。
オフィスとしての需要
今回の再開発で主に建設されるのは商業ビルですが、オフィスとしてのニーズにはどのような変化があるのでしょうか?
池袋は、電車で大宮方面や高速道路で北関東方面へのアクセスが良いこともあり人材やメーカーなどの企業に人気があるエリア。反面、北側エリアの歓楽街をはじめ治安の悪いイメージがあり、新宿や東京などの他エリアに比べて人気が低い傾向にあったそうです。
今回の再開発にともない、公園の整備なども含めて街の景観が大きく変化することにより、「池袋は危ない」というイメージは良好に変化するのではないでしょうか。国際アート・カルチャー都市関連以外にも、豊島区は「持続発展都市対策の4つの柱」として、女性にやさしいまちづくりや高齢化への対策などの事業計画を進めています。
「アニメ・マンガ」をはじめ文化の発信地としての地位を築くことによって、2020年に向けて一層増える可能性のある訪日観光客をターゲットとした、インバウンドビジネスが加速していくのではないでしょうか。さらに、2013年にはニコニコ本社が原宿から池袋に移転しているほか、ソーシャルゲームの開発などを手がけるオルトプラスもサンシャイン60への本社移転を発表しています。今後、地の利を活かして事業を加速させる企業が増えることにより、池袋の評価が上がっていくことが期待されそうです。
2019年竣工のダイヤゲート池袋ビル(池袋旧本社ビル建替え)や、2020年春に竣工予定のHareza Tower(Hareza池袋のオフィス棟)と、大型オフィスが続けて建設されています。並行して公園整備事業なども着々と進み、変化した池袋の街並みを見ることによって移転を決める企業も増えてくるでしょう。
【地価】
池袋(いけぶくろ)の現在の地価は、公示地価の平均値が291万5444円/m2(2019年[平成31年])、坪単価は963万7832円/坪、変動率は+9.11%の上昇です。
基準地価の平均値が570万2500円/m2(2019年[令和元年])、坪単価は1885万1239円/坪、
変動率は+12.69%の上昇です。
地価総平均は342万2181円/m2(2019年[令和元年])、坪単価は1131万2997円/坪、変動率は+9.76%の上昇です。
参照:土地代データ
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