2020年の東京オリンピックを控え、2016年2月には不動産融資が26年ぶりに過去最高となるなど、何かと話題の不動産投資。しかし不動産投資にも当然リスクもリターンも存在します。

不動産投資の「リスク」にはどんなものがある?

・ 空室リスク
不動産投資において最も回避したいリスクが「空室リスク」です。不動産投資をするうえで、最も大切な収益はやはり賃貸収入ですが、空室が多くなると賃貸収入も減り、費用ばかりがかさんでしまいます。あらかじめ空室ができにくい、つまり入居者がつきやすい立地や施設の建物を選ぶことが大切です。

・ 賃料下落のリスク
空室が無くても収入が減ってしまうリスク、それが「賃料下落リスク」です。賃料下落の原因は、周辺の人口の減少や、賃貸マンションなどの乱立、所有している物件の経年劣化などが挙げられます。賃料下落のリスクを防ぐには利便性の良い土地を選び、地域の人口の推移や他のマンションの状況に注意をしつつ、所有している物件の定期的なメンテナンスを心がけなければいけません。

・ 火災リスク
空室リスクや賃料下落のリスクに比べれば発生割合は低いですが、もし発生すれば大損害になり得るのが「火災リスク」です。マンションの入居者の過失により火災が発生する場合ももちろんですが、近隣の住宅などからの類焼なども考えられます。これを防ぐには防火管理を徹底して行うしかありませんが、もし火災が発生してしまった時のために、火災保険に加入することも大切でしょう。

・ 天災リスク
1番防ぎにくいのが「天災リスク」です。地震や津波、洪水、土砂災害等、天災はいつ起きるか分かりません。しかし、マンションの立地条件をあらかじめ天災が起こりにくい場所にすることは可能でしょう。高台を選ぶ、河川の近くは避ける、土砂崩れが起こりそうな場所は避ける――などです。

・ 金利上昇リスク
マンションなどの不動産投資は高額な費用が必要になります。そのため多くの場合が銀行などから資金の借り入れを行います。しかし、借り入れた資金には金利が発生し、その金利が上昇するリスクがあります。金利が上昇すればその分返済金額も増えるので注意が必要です。金利上昇リスクを低減するためには、金利の状況を常に気にしながら、変動金利型ローンや、固定金利型ローンなどのローンの種類を適切に選択することです。

不動産投資の「リターン」の種類

・ インカムゲイン
インカムゲインとは、一般的に資産を保有することで継続的に得られる収入の事を指します。株式の配当金や投資信託の収益分配金、銀行預金の利息、債券の利息などですが、不動産投資の場合は賃貸収入がこれに当たります。

・ キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、資産を売買した際に生じる利益のことです。株式の売買、投資信託の売買等で得られる利益で、不動産投資の場合は所有している物件の売却益がこれに当たります。

長く続けるためにリスク管理を

不動産投資にはさまざまなリスクが存在しています。しかしそのリスクを上回る魅力的なリターンが存在することも確かです。インカムゲインである賃貸収入は、うまく管理すれば定期的に収益をもたらしてくれるのです。さらにキャピタルゲインをうまく活用すれば保有物件の売却によって莫大な利益を得る可能性もあります。

ただし不動産市況の動向によって、キャピタルゲインもインカムゲインも大きく変動する可能性があります。大切なのは、リターンばかりに目を奪われず、不動産投資を長く続けられるようしっかりとリスク管理をすることです。