東西冷戦の真っただ中、CIAとKGBの敏腕エージェントの"あぶない"コンビが手を組み、世界規模の一大テロ事件を阻止するスパイ・アクション大作『コードネーム U.N.C.L.E.』。現在あまりのガイ・リッチー節炸裂と痛快すぎる活劇に、全国の映画館でコンタクトレンズが外れまくっているというウワサの注目作について、安全保障などを研究されている著名な政治学者・落合浩太郎先生を直撃! その道に精通している落合先生は、このスパイ映画をどう観たか? そして日本にもいるというスパイに遭遇した際の対処法まで聞いた。
――スパイ研究家の視点で、この映画、いかがだったでしょうか?
バランスがいいと思いました。ガイ・リッチー監督の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)と似ていて、内容に無駄がないですね。最近のスパイ映画では、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)や『シリアナ』(05)があったけれど、長くて難しいでしょ? 僕は原作を知っていましたが、普通の人には難しいと思いますよ。特に『シリアナ』(05)は3時間くらいあるので、苦痛ですよね。『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)はテンションが高くて、普通の人が観る映画じゃなかった。そして007まで行くと、今度は荒唐無稽になる。この『コードネーム U.N.C.L.E.』はエンタメだけれど、適度なシリアス感があって、よくできていますよ。
――映画にむちゃくちゃ詳しいですね(笑)。今回の映画のように、CIAとKGBが共闘することって実際にはあるのでしょうか?
スパイ映画は、よく観ています(笑)。そして、そういうことは100パーセント、ないです。
――お、この話、終わっちゃいましたね(笑)!
実際は、CIAとKGBがお互いに殺し合いなどはしないですね。裏切り者は殺されるかもしれないけれど、実際のドンパチはなかったと聞いています。そこには暗黙の了解があって、それをやると本当の戦争になる。経済ヤクザみたいなものですよ。戦争をやっているけれど、お互いに撃ちあわなった戦争。間に入った人がバンバン死んでいますけどね(笑)。CIAは毎年何百人も死んでいますが、KGBじゃない。テロリストですね。
――そうそう、日本の企業にもスパイがいるって耳にしますが?
あるとすれば、日本にある外国企業で、アメリカ人のビジネスマン風に見えたが、実はCIAでした、ってことはあるでしょう。昔はパンナム社内によくいたって話です。アメリカの法律では、スパイがジャーナリストに変装することを禁じています。国際紛争になるからですが、それ以外はOK。だから、パンナムにはいたって話ですよ。
――ワーナーは大丈夫ですかね??? 今日、怪しい人は???
(笑)。たぶんいないですね。ワーナーの場合、政府関係筋の人には会えないですから。あり得る外資系企業は、石油関係、日本の経済に関係する会社でしょうね。ワーナーにはいないです。いないと思います。
――安心しました。スパイの見極め方ってありますか???
自分の例ですが、赤坂のアメリカの日本大使館の方と名乗る人と一緒にランチ食べた場合、1,000円くらいなら本物の外交官でしょうと。5,000円のランチの場合、それはCIAだと思いなさいと。使える交際費が全然違うんですよ。日本と同じで、外交官の交際費は少ない。でも、ステーキをごちそうしてくれたら名刺に大使館と書いてあってもCIAと思いなさいってね(笑)。
――そういう瞬間、職業柄、ちょっとウキウキするんですか? しますよね?
いやあ(笑)。その時は、全然ですよ。やっぱり緊張しているのでね。ロシアの人は、それこそイリヤ(アーミー・ハマー)みたいな感じで、目が笑っていない。プーチンのイメージですね。凄みを感じました。
――今日はありがとうございました! AOLも外資系企業なのでハニートラップにすぐ引っかかりそうな編集部員が多いので、罠に引っかからないアドバイスを!
その質問、実は難しいです(笑)。わたしも気持ちがよくわかりますが、女性に急にモテた時は危険信号です。普通は今までモテなかった人がモテ出したら、おかしいと思わないといけない。しかし、そうなると今までがおかしかったと頭が勘違いするというね(笑)。
――ようやく春が来た! みたいなことになりますよねえ。
たとえば陸上自衛隊では、駐屯地指令になると研修をするそうですが、そこでこう言われるそうです。「お前がモテているんじゃない。駐屯地司令がモテているんだ」と。そういう教育をするそうですよ。ですが、たいていの男はバカだから、今までが間違っていたと思う。気持ちはわかりますが、モテキは危険信号です(笑)。
映画『コードネーム U.N.C.L.E.』は大ヒット上映中!
https://youtu.be/KrJy0HRivdY
(C) 2015 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
■参照リンク
映画『コードネーム U.N.C.L.E.』オフィシャルサイト
wwws.warnerbros.co.jp/codename-uncle/
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