北川景子が探偵役で主演し、ハードなアクションも見せるドラマ『探偵の探偵』（フジテレビ系）。妹を殺害したストーカーに加担した悪徳探偵の手がかりをつかみ、クライマックスに向けて盛り上がっている。
そんななかで、北川が演じる探偵・紗崎玲奈の助手の姉という役ながら、"美しすぎる脇役"と一部で話題になっているのが、中村ゆりだ。川口春奈が演じる妹の良き姉と見えたが、彼女が玲奈との探偵業に取り組み始めると、妹への執着を露わにする。探偵社に押しかけて泣きわめきながら妹を連れ戻そうとする場面など、精神バランスが壊れかけている様子が怖くもあり、品のある美貌とのギャップを見せた。
中村ゆりは33歳で新人ではない。これまでにも多くの作品に出ている。ただ、連ドラにメインキャストでの出演はなく、一般的な知名度は高くない。その分、脇役やゲストで登場するたびに「あのきれいな女性は誰？」と言われる特異なポジションを得ている。
昨年の朝ドラ『花子とアン』（NHK）では、花子の夫となる村岡英治の最初の妻・香澄を演じた。結核を患って入院していて、夫の花子への想いに気づき自ら離婚を切り出した後に他界する、薄幸な役だった。第2期『HERO』（フジテレビ系）では、7話でゲスト出演。同棲していた恋人に暴力をふるわれながら、起訴に当たって彼をかばおうとする影のある女性を好演した。出演のたびにチラッとインパクトを残すが、主役級ではなかったり1話のみの出演で、顔と名前が定着はしない。そんな状態を10年続けている。
知っている人は知っている通り、彼女はもともと、モーニング娘。や鈴木あみらを輩出したオーディション・バラエティ『ASAYAN』（テレビ東京系）から、2人組ユニットYURIMARIのYURIとして1998年にデビューした。サンプラザ中野とパッパラー河合が楽曲提供してシングル6枚をリリース。爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」のアンサーソング「初恋」がオリコン47位になったのが最高で、翌1999年に解散している。
その後は中村ゆりとして女優に転身。2007年には、沢尻エリカがヒロインを演じた映画『パッチギ！』の続編『パッチギ！ LOVE&PEACE』に、沢尻を継いで在日韓国人キョンジャ役で出演。自身も大阪出身ながら韓国籍（父が在日3世、母が韓国生まれ）であることを明かした。そう言えば、韓流美人ふうの顔立ちでもある。この作品では全国映連賞の女優賞を受賞している。
美貌に加えて演技力もあるだけに、ドラマでメインキャストを演じる彼女を見たい気もする。だが、脇役やゲストが続くのは出演作が途切れなくても毎回新鮮で、飽きられないメリットもある。そういう意味では"美しすぎる脇役"は良いポジションではある。
『探偵の探偵』で今後どれだけストーリーに絡むかも気になるが、9月2日放送の『花咲舞が黙ってない！』（日本テレビ系）の9話にも、舞（杏）の支店時代の先輩役でゲスト出演する。映画では10月3日から『全開の唄』、10月24日から『ディアーディアー』とヒロイン、主役を演じた作品が相次ぎ公開されるので、こちらでは美貌もたっぷり拝めそうだ。
文・斉藤貴志
■参照リンク
・中村ゆり プロフィール
http://www.alpha-agency.com/artist/-yuri-nakamura.html
・『探偵の探偵』公式サイト
http://www.fujitv.co.jp/tantei/index.html
・『花咲舞が黙ってない！』公式サイト
http://www.ntv.co.jp/hanasakimai/
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