かつて5人もの尊い命が犠牲となり、大問題となった「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、生牛肉の提供が禁止されるようになってから既に久しいが、そうした中、またもや生肉を提供したことにより、焼肉店の経営者らが逮捕されるという事件が発生した。京都府警が発表している。
調べによると今年8月、京都市東山区の焼肉店「祇園焼肉 志」で、提供が禁じられている牛の生レバー1皿を、店内にいた客の男女に対し、「裏メニュー」などと称して提供していた疑い。これにより、同府警は食品衛生法違反の容疑で、この店の経営者である男(29)と店の責任者(28)を逮捕。今後、容疑が固まり次第、 料理長についても逮捕する見通しだという。
この「牛レバー」の提供による摘発は、昨年10月に同じ京都府内で起きた事件についで、全国で二例目。しかし、ネット上からは、「規制されるのが牛だけってのも意味わかんねーよな」「牛の生肉だけが危険という風潮」「高級店の生レバーでアタるやつは何でもアタるんちゃう?」「いまだに隠れて出してる店多いよな」「結局は個人差だからな」「高級店の生レバーよりも格安店の焼肉のほうがやばいと思うで」「報奨金が出たら通報ラッシュになるだろw」と、この「生肉」をめぐる規制そのものに対して、疑問を呈する声も少なくないようだ。
たしかに、規制の発端となった「焼肉酒 家えびす」をめぐる事件においては、「生肉であるかどうか」よりも、同店における品質の管理や、衛生状態、提供部位の内容や、仕入れた時点での肉の質などといった部分に、そもそも問題が多かったことも事実。どんなに美味であったとしても、あくまでそれは「命あっての物種」であることは間違いないが、その需要を鑑みれば、「生肉」をめぐるこうした規制のあり方についても、見直しを迫られている時期であると言えるのかもしれない。
文・今岡憲広
■参照リンク
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syouhisya/110720/
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