働く労働者を応援する本サイト「ハードワーカーズ」ですが、そんなサイトにピッタリの超社畜映画が登場しました。
今回ご紹介する映画は、「もし職場に自分と容姿がまったく同じ男が現れたら? しかもその男は自分と真逆の性格で気だてが良く、超人気者だったら?」という人生最大のピンチが訪れた男を描く『嗤う分身』。
サイモン・ジェームズくんは労働者。7年間もの間、暗く小汚い会社に1日も休まずに勤務している超働き者。しかし、冴えない性格のせいか、サイズの合っていないダボったスーツの着用が原因なのか、職場の人間はもちろんエレベーターにさえ無視され、入院中の母親からは見舞いの度に蔑まれている。そんなサイモンくんの唯一の癒しは、自宅の向かいに住んでいる同じ職場のかわいこちゃんの生活を望遠鏡でコッソリ覗き見ることだった......。
という設定の時点でかなりシーキビな状況に立たされているサイモン(童貞)なんですが、前述の通りある日突然職場に現れたのが、自分と同じ容姿のくせに性格が真逆な男ジェームズ・サイモン。これはイカンですよ。たまったもんじゃないですよ。しかもソイツ、会社では自分の手柄を奪い、自分の(密かに)愛する女性までも奪おうとしてるじゃありませんか! どうするサイモン! がんばれサイモン!
この時点でお気づきの方は相当文化レベルが高い人とお見受けしますが、実は本作、原作がドストエフスキーの『分身(二重人格)』。って聞くと敷居が高く感じますが、映画は限りなく『世にも奇妙な物語』テイスト。劇中にはなぜか坂本九の「上を向いて歩こう」やジャッキー吉川とブルーコメッツの「ブルーシャトー」が使われ、妙なテイストをさらに盛り上げます。
というわけで、会社務めの人からすると結構ホラーなこの映画。このページを読んでくださっている皆さんには映画のようなことが現実で起きませんよーに。
文・市川力夫
『嗤う分身』は、2014年11月8日(土)シネマライズ他全国公開
(C)Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Alcove Double Limited 2013
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