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リビアにあるアメリカ領事館が襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使を含む4人が犠牲となる事件に続き、中東各国で起きている反米の抗議活動。<Huffington Post>には、その発端となった1本の映画『イノセンス・オブ・ムスリムズ(The Innocence of Muslims、直訳:イスラム教徒の純朴さ)』に関する続報が出ている。

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この映画は、イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する内容だと激しい批判にさらされ、リビアやエジプト、イエメンなど中東各国で激しい抗議活動が行なわれている。映画の監督としてイスラエル出身の「サム・バシル(Sam Bacil)」なる人物の名が挙がってはいるものの、映画やTVドラマのデータベースIMDbでは紹介されておらず、真偽のほどはわからない。カリフォルニア州に関していうと、同州で映画の撮影をする際に出される撮影許可は「サム・バシル」の名では申請されておらず、砂漠や私有地で撮影された可能性もあるようだ。

またAP通信では、「スティーブ・クライン」という人物が映画のコンサルタントを務めたと伝えている。彼はモルモン教の教会やモスク、そして妊娠中絶を行なうクリニックの外で抗議活動を行なうキリスト教系団体の創立者だそうだ。現時点でわかっているのは、クライン氏のほかにテリー・ジョーンズ牧師がこの映画の宣伝に関わったということ。牧師は反イスラムを訴えるキリスト教聖職者でもある。

しかしながら<Huffington Post>は、「バシル」と名乗る人物が電話取材に応じ、イスラム教は"ガン"で、彼は映画が宗教を糾弾するものになるよう意図して製作したと伝えている。「これは政治的な映画なんだ」と、バシル氏。「アメリカはイラクとアフガニスタンでの戦争で、多額の金と多くの人民を失った。だが我々は、意図を持って戦っているんだ」。

一方、<AP>では『イノセンス...』の製作者の1人が「ナコウラ・バッセリー・ナコウラ(Nakoula Basseley Nakoula)」(55歳)という人物だと報道。ナコウラ氏は映画の製作に関わったとしているものの、監督は自分ではないと主張している。また監督とされる「サム・バシル」だが、その正体には疑問の声も多い。なぜならバシル氏とナコウラ氏の携帯電話をたどっていくと、同じ住所になるからだ。そのため、「バシル」はナコウラ氏の別名/偽名である可能性も否定できない。

ナコウラ氏は2010年、盗まれた社会保障番号(ソーシャルセキュリティーナンバー)を使って偽の銀行口座を開設し、詐欺を働いた疑いで起訴された。このときは21か月間の実刑判決と79万ドルの罰金が言い渡されている。また『The Daily Beast』によると、ナコウラ氏は1997年にもメタンフェタミン(覚せい剤の一種)を製造したかどで逮捕・起訴されている。

『イノセンス...』に出演した俳優たちは、「バシル」らしき男に「この映画はイスラムについてではない」とだまされたと主張。映画は当初、『デザート・ウォーリアーズ/Desert Warriors(直訳:砂漠の戦士たち)』というタイトルだったそうだ。

反イスラムの映画への抗議で複数のアメリカ人が殺害される


少なくとも1人が逮捕された模様


リビアでの襲撃事件の捜査は続く

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