キュレーションやバイラルメディアなど、さまざまなニュースメディアが登場している最近のインターネッツ界隈。こうした多くのメディアは栄枯盛衰、諸行無常で、生まれては消えていくことが繰り返されているが、そんななかで、しぶとく生き残っているメディアといえば「メルマガ」だ。
思い起こせば2001年。21世紀の夜明けが訪れたこの年、国民の熱狂的な支持を受けて総理大臣に就任した小泉純一郎は、衆議院で行われた所信表明演説で次のように発言した。
「『小泉内閣メールマガジン』を発刊します」
お年を重ねた議員も多いなか、この発言を聞いたセンセイの中に「メールマガジン」の意味を理解できた者は、どれだけいただろうか? それはともかくも、小泉内閣メルマガの発行部数は200万を超え、一般国民の間にその存在を認知させたといえるだろう。
あれから早いもので13年。メルマガは衰えるどころかいまだ多くの著名人が発行しており、たとえばホリエモンこと堀江貴文、ジャーナリストの勝谷誠彦などはその先駆者として安定的な読者を獲得し、芸人・浅草キッドの水道橋博士が編集長として2012年開始した『水道橋博士のメルマ旬報』は、40名もの連載陣による圧倒的ボリュームのメルマガとして話題を呼んでいる。
そんななか、新たにメルマガ界に参入する若手が現れたとの情報が......。
「やついさんのコラム面白いなぁ」
「面白いから皆四の五の言わずに購読しなさいよ」
「やっつんが容赦なく暴く!だっつんの私生活(もちろん女関連)」
これらはSNS上でのネット民たちのコメントだが、すべて2人組の人気お笑いコンビ「エレキコミック」のメルマガに対するもの。『エレキコミックの「エレマガ」』というタイトルで、今年9月に始まったばかりだが、彼らのコアなファンを中心に有料会員を獲得していっているようだ。
だが、単に芸能人が発信するメルマガというだけでは、目新しさがない。実は、この『エレマガ』はテキスト形式の記事が送られてくるだけではなく、会員限定でエレキコミックのイベント映像やラジオ番組を配信するなどの試みが行われている。さらに、『VVマガジン Vol.3』のインタビューによると、エレキコミックのふたりは「今のところここで出来ないのは生のライブくらいでしょう。それもゆくゆくはここから発信していくかもしれません」(やついいちろう氏)、「ファンに連絡とって家に遊びにいってメルマガの収録するみたいな無茶な企画も、いつかやってみたいですね」(今立進氏)と、将来的には生放送やファン・会員とともに双方向性のある企画を行うことを明言している。
「読む」だけでなく、「観る」「聞く」ことができるのも人気の秘密である『エレキコミックの「エレマガ」』。ほぼ週1回配信され、購読料は月額500円なので、豊富なコンテンツを考えればお値段以上の価値があるメルマガといえそうだ。
■参照リンク
エレキコミックの「エレマガ」
https://bookstand.webdoku.jp/melma_box/page.php?k=elemaga
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