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2014年8月2日、中野サンプラザに集まったファンを前にして、一つの大きな発表がなされた。Berryz工房、2015年春をもって無期限活動停止。この発表により、6月4日にリリースされたシングル「愛はいつも君の中に/普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」は、新たな意味を持つことになった。


【動画】http://youtu.be/aYqimX33oUo


確かに10年以上活動している、しかも原則としてメンバーの変更がないグループだけに、解散や活動停止という話が起こってもおかしくはない。だがハロー!プロジェクトのファンにとって、Berryz工房とはそういった概念から最も遠い存在であった。そこにいるのが当たり前すぎて、彼女たちがいないハロー!プロジェクトを想像することさえまだ出来ずにいる。もちろん彼女たち自身が下した決断だからファンとしては尊重しなくてはいけない、それを頭では理解していても、心からそう思えるにはまだまだ時間はかかるだろう。10年というのは、彼女たちにとってそうであるように、ファンにとってもまた短くはない時間だからだ。

だが、いつまでも悲しんでばかりはいられない。少なくともあと半年間、Berryz工房のみんなは今まで以上にバカをやって、歌って踊って、笑って笑わせてくれるだろう。だから立ち上がらなくてはいけない。そしてBerryz工房のファンが立ち上がるとき、そのきっかけは、Berryz工房の曲であるべきだろう。

というわけで今回は、Berryz工房「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」に込められた3つのメッセージを、勝手に深読みしてみます。


その1 Berryz工房に対してのメッセージ

まず前提としてこの曲は、Berryz工房から無期限活動停止の発表が行われた時点での、最新のシングルとなった。そうである以上この曲には、つんく♂からBerryz工房へのメッセージが強く込められていると考えて良いだろう。むしろこの曲は、ある意味でつんく♂からBerryz工房へのエールだと捉えることも出来るはずだ。

「土日も全部ささげて来たよ」という歌詞は小学生から活動し、土日をアイドル活動にささげて来た彼女たちだからこそリアルだし、「今思えば動機なんてどれだとかこれだとかないわ」という歌詞はつんく♂自身が語った「ただひたすら『歌が好き!』『ダンスが好き!』『カワイイ衣装が着てみたい!』という超純粋な気持ちだけでこの世界に飛び込んで来た彼女達」という言葉とそのまま符合する。この曲の全ての歌詞は、Berryz工房が始まり、そして彼女たちがこれまでずっと歩んできた道を、そのまま表している。

だが、Berryz工房が半年後に活動停止したとしても、メンバーの人生は終わらない。むしろこの先の人生のほうがずっと長いのだ。つんく♂はそんな彼女たちに対して「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」という言葉でエールを送る。普通じゃないことを、彼女たちはやって来た。だからきっと、いや間違いなく、普通じゃなく面白い人生をこれからの彼女たちは送れるだろう。これで終わりじゃない。これからまた始まるのだ。「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」という経験と、その言葉が持つ矜持を胸に、7人は歩いて行く。Berryz工房が活動を停止したとしても、Berryz工房だったという過去は消えない。そういう生き方を出来るのは、世界であの7人だけだ。


その2 ハロー!プロジェクトの後進に対するメッセージ

Berryz工房の喪失は、今後のハロー!プロジェクトにとっても大きな意味を持つことになるだろう。Berryz工房があまりにも偉大な存在だったが故に、戸惑い、また迷うこともあるかもしれない。だがつんく♂は「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」という曲において、アイドルという職業の素晴らしさを切々と語っている。

「モデルしたい 女優したい あれこれしたくもなるけれど 雑念は禁物よ 勘違いしたらそこまでよ」という歌詞は、アイドルこそが最強なのだというメッセージに他ならない。歌とダンスと可愛さでファンを喜ばせる、それが本業であり、生きる道なのだと、つんく♂は語る。これほどまでにアイドルを想うプロデューサーは、ほかにどこを探したっているわけがない。

この曲の最後のフレーズは「それでも アイドル I love it!」だ。「簡単そうに見えちゃう職業」ではあるが、アイドルが簡単な職業などではないことを、ハロー!プロジェクトのファンなら誰もが知っている。もちろん、メンバーもそうだろう。何よりあのBerryz工房が「それでも アイドル I love it!」と歌っている。アイドルという職業には、愛すべき価値がある。つんく♂はそのことを、Berryz工房の曲に乗せて、Berryz工房以降の後進メンバーたちに伝えているのだ。


その3 Berryz工房のファンに対するメッセージ

そしてまたこの曲には、Berryz工房のファンに向けてのメッセージも込められている。「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」というタイトルはそのまま「普通、アイドルのファン10年やってらんないでしょ!?」にも繋がる。アイドルを10年やることも普通じゃないが、アイドルを10年推し続けるというのもまた、ちょっと普通のことではない。そしてそれは、ファンにとっては何よりの誇りだろう。

「青春全部ささげた事は 誇りに思って生きて行くわ」という歌詞は、Berryz工房のメンバーにとってもそうだし、Berryz工房のファンにとってもそうであるべきだ。青春をささげて、沢山のものを貰ってきた。それはBerryz工房が活動を停止したとしても、ファンの胸の中でずっと輝き続けるだろう。生きるとはそういうことだ。推すというのはそういうことだ。振り上げた腕も、高く捧げたサイリウムも、喉を枯らして叫んだ声も、その全てがBerryz工房のファンとしての誇りだ。忘れる必要はない。失わなくていい。Berryz工房はそれを許してくれるだろう。Berryz工房を失う悲しみを乗り越える強さを、我々は既に、Berryz工房から貰っているのだ。

Berryz工房の無期限活動停止まで、あと半年。Berryz工房のことだから、それまで沢山笑わせてくれて、ものすごいパフォーマンスを見せてくれるだろう。だからファンなら、精一杯楽しむ準備をしよう。いまぼくたちに出来ることなんて、それしかないんだから。


<結論>
やっぱり アイドル I love it !!!!!

(相沢直)

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