現在のハロー!プロジェクトの中で唯一伸び悩んでいるグループ。そんなイメージとここ数年戦い続けてきたのが6人組のアイドルグループ、スマイレージだ。2010年の夏に「アイドル戦国時代」という言葉をメンバーの福田花音が口にしてからはや4年、同じ舞台に立っていたほかのアイドルたちはブレイクし、後輩のJuice=Juiceもデビューしていよいよ後がない。グループとして初めての日本武道館公演が決定してからもその焦りがあったのか、メンバー同士で罵り合う映像がネット上に流出。こんなことでは武道館公演がうまくいくはずがないと、ファンの誰もが思ったという......。
スマイレージ内紛勃発!?
https://www.youtube.com/watch?v=m7yA4Bg5TcE
だが、しかし! スマイレージはやってくれた。我々が「伸び悩んでいる」と勝手に決めつけていたこの数年間、彼女たちは日々鍛え、パフォーマーとしても人間としても大きく成長していたのだ。日本武道館という夢の舞台。だがそこが大バコだと思えないほど、圧倒的な6人のヤッタルチャンがそこで歌い踊っていた。たった6人が8000人を越える満員の観客の度肝を抜いたという、これは厳然とした事実である。酸いも甘いも味わい、辛酸を舐めたことも一度や二度ではないだろう。しかしその道は全て今に繋がっていた。そう。全ての逆境は、後から笑い飛ばされるためにある。そんなハロー!プロジェクトのイズムを、スマイレージは見事に体現したのだった。
このスマイレージの歴史的な逆転劇は、アイドル業界に大きな影響を与えることは間違いない。少なくともハロー!プロジェクトはさらなる爆発的な進化を遂げるはずだ。この日の武道館公演には先輩であるモーニング娘。'14(道重さゆみ、譜久村聖、生田衣梨奈、鞘師里保、鈴木香音、飯窪春菜、石田亜佑美、佐藤優樹、工藤遥、小田さくら)、Berryz工房(清水佐紀、嗣永桃子、徳永千奈美、須藤茉麻、夏焼雅、熊井友理奈、菅谷梨沙子)、℃-ute(矢島舞美、中島早貴、鈴木愛理、岡井千聖、萩原舞)、そして後輩のJuice=Juice(宮崎由加、金澤朋子、高木紗友希、宮本佳林、植村あかり)という全てのグループが応援に駆けつけ、スマイレージ(和田彩花、福田花音、中西香菜、竹内朱莉、勝田里奈、田村芽実)のパフォーマンスを目にしている。これで燃えないようなハロー!プロジェクトのメンバーたちではない。スマイレージの覚醒をハロー!プロジェクトの全メンバーとファンたちが目の当たりにした2014年7月15日、アイドル戦国時代は終わりを告げ、今やハロー!プロジェクト戦国時代に突入したと言っても過言ではないだろう。
だが、ハロー!プロジェクトは現在デビューしている5組だけでも人数が多く、そのキャラクターを全て把握するのは困難だというのもまた事実だ。そこで今日は、現在のメンバーのことをあまり知らない方のために、ハロー!プロジェクトの全てのメンバーを分かり易く紹介してみたい。しかし、一体どうやって? ここはスマイレージが武道館公演でプロレスのリングを組んで戦ったことに敬意を表して、プロレスで紹介してみたい。ハロー!プロジェクトの5組でプロレス興行を行うことによって、彼女たちのキャラクターが分かり易く紹介できるはずだ。本当にそうなのか? かなり不安ではあるが、やる前から負けることを考える馬鹿はいない。やってやるって!
というわけで本日は、ハロー!プロジェクトの5組、モーニング娘。'14、Berryz工房、℃-ute、スマイレージ、Juice=Juiceの全メンバー参加による、全6試合のプロレス興行を行います!
第1試合 タッグマッチ(20分1本勝負) 工藤遥&中西香菜vs道重さゆみ&小田さくら
【試合解説】
舞台「リリウム」で男役を演じた工藤と中西がタッグを結成。現在モテ期に入っているハンサムガールの工藤は、相手をコーナーポストに追いつめて壁ドンで敵の心を奪いにかかる。中西は始球式のフォームがレッドソックスの上原浩治選手と似ている(それが縁となり本人同士が交流している)ことから、上原式ナックルパートを何度も繰り出す。一方相手はハロー!プロジェクトの総大将であり誰もが認めるアイドル・オブ・アイドルの道重と、彼女が去ったあとのエースとして期待が集まる小田。実力では道重&小田組に弱冠の分がありそうだが、ヤッタルチャン精神を身にまとった工藤&中西組が負けを認める姿もまた想像できない。第1試合から白熱した戦いになること間違いなしだ。
第2試合 バカ抗争3WAYマッチ(30分1本勝負) 中島早貴&岡井千聖&萩原舞vs徳永千奈美&熊井友理奈&菅谷梨沙子vs生田衣梨奈&石田亜佑美&佐藤優樹
【試合解説】
ハロー!プロジェクトには、言葉は悪いが(良い意味で)バカと呼ばれる方々が非常に多い。だったら誰が一番のバカなのか、ゴタゴタ言わんと決めたらええんや!ということで組まれたバカ抗争3WAYマッチ。℃-uteの3バカ、中島&岡井&萩原組は、まずは試合のルールが把握できるかがポイントになるだろう。3カウントフォールだから3人合わせて9カウント?ぐらいのことは平気で考えてしまいそうな岡井ちゃんには特に気をつけたい。Berryz工房からは徳永&熊井のとっくまコンビと、なぜかこんな試合に呼ばれてしまった菅谷。基本的にBerryz工房は全員怪奇派レスラーなので意外性のある攻撃を繰り出してくるが、オロナミンCの数が把握できないという弱点を克服できるかどうかが勝負の差を分けるだろう。そして娘。からはスベリーズとして日々スベり続ける生田&石田と、ハロー!史上ナンバーワン野生児の佐藤が参戦。生田がマイクで会場を変な空気にし、石田はコーナーポストに上って三点倒立でドヤ顔というだーいし感を発揮、佐藤はなぜかレフェリーの服をはぎ取ろうとする。すっちゃかめっちゃかすぎる試合になるのは明らかなので、勝敗以前に試合が成立するかどうかに注目しよう。
第3試合 ちゃんさんいじめっこランブル(30分1本勝負) 参加選手:宮本佳林、金澤朋子、高木紗友希、植村あかり、夏焼雅、勝田里奈 特別レフェリー:清水佐紀
【試合解説】
ちゃんさんという愛称で呼ばれる宮本佳林には有無を言わさぬ可憐さがある。全体的にちっちゃくて目もうるうるしているため、どこかいじめたくなる魅力に溢れているのだ。この試合はそんな彼女の特徴を活かすいじめっこランブル。宮本佳林はリングに上がるがフォール権はないターゲットであり、他の選手が宮本佳林をフォールするかギブアップさせたらその選手が勝利者となるという特別ルール。危険極まりないルールのためハロー!プロジェクト最後の良心、清水キャプテンが特別レフェリーを務める。デコピン、しっぺ、つねり(肘の裏のつねってもいたくないところを)などの技で宮本佳林をいじめる一同。困った顔で逃げ回る佳林ちゃんキャワワ〜! 小動物みたいな逃げ方キャワワ〜! と、コミカルな試合になることを誰もが予想していたが、そこは次世代のハロー!プロジェクトを担う宮本佳林だけあって絶対に泣かない、ギブアップなんてとんでもない、フォールも返し続けて何度も何度も立ち上がる。観客のキャワワ〜!という声が、キャワ......? キャワァ......と徐々に変化し、そしていつしか、ツヨヨ〜! 佳林ちゃんツヨヨ〜! と彼女の強さへの感嘆の叫びに変わる。果たしていじめっこの皆は、宮本佳林を試合時間内にフォールすることが出来るのだろうか。
第4試合 グループ対抗5WAYマッチ(60分1本勝負) 飯窪春菜vs嗣永桃子vs鈴木愛理vs福田花音vs宮崎由加
【試合解説】
それぞれのグループから一人ずつ代表者が出場しててっぺんを争う、まさに絶対に負けられない戦いである。太鼓持ちでならす娘。のサブリーダー飯窪は一人で戦うのは分が悪いと踏んだか、福田花音に共闘を提案。わりと悩みがちなところがある福田花音だが、一度覚悟を決めたら異常なまでの強さを発揮するタイプなだけに、この即席タッグはかなり手強いだろう。それを見た嗣永は無言で鈴木愛理に手を伸ばす。キッズ時代から10年以上の時間を過ごし、別のグループではあるが世間と戦い続けた二人に言葉はいらない。華麗な連携技で観客を魅了してくれるだろう。そんな中、おっとりという言葉が誰よりも似合う宮崎は、戦うという概念をそもそも持ち合わせていないので先輩たちとツーショットの写メを撮ろうとして笑顔で近づいて行く。それぞれの人間模様が交錯するリングから、一瞬たりとも目が離せない。
第5試合 無差別級タッグベルト選手権試合3WAYマッチ(60分1本勝負) 鞘師里保&田村芽実(王者組)vs須藤茉麻&鈴木香音(挑戦者組)vs譜久村聖&竹内朱莉(挑戦者組)
【試合解説】
セミはタッグベルトを賭けた3WAYマッチ。現王者は歌と表現力には誰もが一目置く鞘師と田村、前回大会でまこと&はたけ組からベルトを奪ったその勢いのまま挑戦者組を下したいところだが、立ち向かうのは厄介な二組。特に須藤茉麻と鈴木香音というヘビー級タッグとは対戦経験もないため苦労するだろう。試合中であることを良いことにゲヘゲヘと笑いながら尻を触ってこようとする須藤茉麻のセクハラ攻撃と、試合中にも関わらずリング下に用意したオーブンレンジでパンを焼くという鈴木香音の意外性は王者組を困らせるはずだ。また、美しきお嬢様である譜久村と可愛さいっぱいの元気印・竹内という二人の相性の良さにも要注意。仲良しタッグだけにリング上でも構わずに二人でイチャイチャしてしまうのは間違いない。普段から譜久村のポスターをなめ回すように見つめている変態エース・鞘師は、果たして平常心を保つことが出来るだろうか。
第6試合 無差別級シングルベルト選手権試合(時間無制限1本勝負) 矢島舞美(王者)vs和田彩花(挑戦者)
【試合解説】
メインはハロー!プロジェクトの至宝であるシングルベルトを賭けた時間無制限のシングルマッチ。まさに女房を質に入れてでも見たい黄金カードが組まれた。この試合はまさに『覇道』対『王道』だと言えるだろう。『覇道』矢島舞美。かつてスポーツフェスティバルで観客がちょっと引くほどの爆走を見せた伝説の身体能力は今もなお健在、いやむしろ未だ成長過程にある。さらにはその美貌、スタイル、ダンスのキレ、人間的な魅力など、非の打ち所がない完璧超人。女神の生まれ変わりとも称される彼女が放つドロップキックの高さを是非目に焼き付けてほしい。そして『王道』和田彩花。アイドルの王道のど真ん中を突き進む彼女は、美しさと可愛さという二物を天から与えられた稀有な存在である。その手足の長さを活かした関節技は、彼女が愛する絵画と同様ひとつの芸術作品だと言っても良いほどだ。リングという名のキャンバスに、息を飲むような美しさが描かれるその瞬間を目の当たりに出来るのは、観客だけに許された特権である。ハロー!プロジェクトのトップを決めるこの戦い。果たして、勝つのはどっちだ!
<結論>
ハロー!プロジェクトがいかに精鋭揃いか、その一端でも伝われば筆者としてこれ以上の悦びはない。なお彼女たちは現在、全国各地でハロー!プロジェクトとしてのコンサートを行っている。全てのグループが出演し圧巻のステージを見せてくれるので、詳しくはハロー!プロジェクトのオフィシャルサイト(http://s-mileage.jp/)をご確認いただきたい。それと最後になりましたが、光井愛佳さんは現在プエルトリコで海外遠征中という設定なので残念ながら今回のプロレス興行には不参加となりました。何卒ご了承ください。
(相沢直)
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