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創造的破壊ラジオvol8 ラジオの喋り手はなぜ天気の話から始めるのか?

2014/03/10 10:30 投稿

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「いやー今日は寒いですね」。今日、職場でそんな挨拶から入った人も多いだろう。こういう天気の話に対して「何も話題がないから天気の話から入りやがってこの話ベタが」と思っちゃったりする傾向も最近はあるようだが、それには断じてNOと言いたい。




結論から言うと、天気の話は超大事、っていうことなのだが、そのメカニズムを説明しよう。
相手の情報が全くない場合、はじめまして、こんにちは、の次に何を話せばいいのか? 相手の服装をほめる?いやこれはリスクが高すぎる。共通の話題を探すのが安心だろう。しかし、「消費税上がって困りますね〜」みたいな、大きなニュースの話題を振ると案外「いや、増税はこれからの財政に必要な事だし...」と意外な切り返しがきたりして逆に困る事もある。

寒い日に、「寒いですね」。これが最も安全なことは皆体験から知っているだろう。問題は、この後なのだ。「天気の話なんてつまらない」という意見が出て来るのはここで話を終えようとするからなのだ。「寒い」ということをキッカケに、「どんな服装にすべきかこういう風に悩んだ」とか「朝起きれなくて寝床からどうやって這い出たか」という話にすれば、誰もが共感するあるあるネタに展開できる。そこで相手の出方を見てから、政治の話なり、自分の昨日の飲み会の失敗なり、ウケそうな話にシフトしていけば良いのである。

これはとりもなおさずラジオパーソナリティのテクニック。生放送のオープニング、冒頭は天気の話をすることがとても多い。今東京の気温は何度あって、どんな空なのか。こんな当たり前のことをわざわざ言うのはなぜか? これには、顔も見えない、誰かも分からない相手とつながるための最初の一歩として、「今の天気を共有する」という意味があるのだ。そして「今を一緒に生きている」という感覚を無意識のうちに持ったあとに、その喋り手が本当に話したかった話題につないでいくことでリスナーがスムースにその人の話を聞けるようになるのである。もちろんこの「天気の話」は「大きなニュース」になる場合ももちろんある(たとえば「フィギュア羽生選手が金メダル」というレベルの国民誰もが共有する話題)。
うまい喋り手はこの「天気 ニュース 自分の話題」へのつなぎがとてもスムース。天気の話なんて面白くない、という風に考えず、天気の話を面白くできるやつが勝つ、と考えてみる。一度ラジオを番組オープニングに着目して聴いてみると発見があると思う。気がつくとその人の世界にスッと入っていれば、それは良い喋り手。

そんな天気の話が大好きなPがやっている番組は...
TBSラジオ954kHz「残業支援系ランキングトークバラエティ ザ・トップ5」
火曜~金曜 17:50~20:00生放送(3月末までの限定放送)

(橋本吉史)

【参照リンク】
・「ザ・トップ5」公式サイト
http://www.tbsradio.jp/top954/ 
・radiko.jp
http://radiko.jp/ 

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