1980年生まれのデザイナー、スズキユウリ氏。いわゆる「松坂世代」と呼ばれるこの世代は、あらゆるものが「デジタル化」していくのを全て目の当たりにしてきた世代と言ってもいいかもしれない。そんなスズキユウリ氏の「デジタルとアナログ」を融合したような作品がヨーロッパで話題となっている。
スズキユウリ氏はもともとアートユニット「明和電気」の工員として働いていたキャリアがある。そこで「音楽とテクノロジー」の融合に強く魅せられたという。その後は、世界のアートとデザインに最も影響力のある大学、ロイヤルカレッジオブアートに留学。卒業後はロンドンを拠点にデザイン、アート、インスタレーションなどの作品を精力的に発表している。
そんな彼が最近発表した作品が「Lools Like Music」だ。
ユーモラスな形をしたこの白い箱は「Color Chaiser」と呼ばれており、マジックで書かれた「黒い線」に沿って動き出す。さらに、黒い線の上にカラーペンで色をつければ、その場所で「Color Chaiser」から音が出る仕組みとなっている。音階は色によって識別されており、無造作に塗られた「カラフルな線路」はまるで「楽譜」のような役割をはたすのだ。
ルクセンブルクの美術館では、大人も子供も夢中で遊ぶ姿が撮影されている。
Looks Like Music - Mudam 2013 from Yuri Suzuki on Vimeo.
形の違う「Color Chaiser」を使うことで、様々な音色を出すことができる。床に敷かれた巨大な紙は「楽譜」となり、縦横無尽に描かれた模様は「音符」となるわけだ。
プログラミングを駆使して暖かみのあるデジタル作品を作り出すスズキユウリ氏。カセットテープからMP3へと移り変わり、ファミコンからPS3までを味わい、ポケベルからiPhoneまでを使っていたこの世代だから生み出せる「レトロ」感なのかもしれない。
アナログからデジタルへ激変する世界を体感したからこそ、見えてくる「新しいデジタル」の使い方があるのかもしれない。
(Goro Inazaki)
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