GoogleがAndroid 10の配信を開始した。手持ちのスマートフォンがGoogleからのOSアップデートのダウンロードとインストールをサポートするならすでに利用できる状態だ。今のところこの機能を持つのはGoogle自身が発売するPiexl 3が中心となる。ただし多くのAndroidデバイスはベータ版をサポートするので、ベータ版時代に10をインストールしたユーザーもいるだろう。

最近のAndroid OSの開発は非常にオープンになっているので、機能についてはすでに広く知られている。ここ数回のアップデート同様、一見しただけでは最新版がインストールされているかどうか判別しにくい。もちろんAndroid 10にもさまざまな改良が加えられているが、最も重要なアップデートはデフォルトでは見えない位置に隠れている。

誰もが一番興味を持っていたのはダークテーマ(モード)だろう。Android 10のダークテーマは十分期待に応える出来栄えだ。これにより夜間のデバイス利用が快適になるだけでなく、OLEDディスプレイの電力消費も抑えられる。ダークテーマはGoogleフォトやカレンダーなど多くのアプリが自動切り替えサポートしている。ただしどのアプリがサポートしているかとなるとややランダムで健康アプリのFitはダークテーマをサポートしているが、Gmailはまだしていない。

もう1つの目立つアップデートはジェスチャーによるナビゲーションだ。この機能はオプションで、ユーザーは慣れ親しんだ3ボタンのナビゲーションを使い続けることができる。新しいナビゲーションはAndroid 9(Pie)で提供が開始されたオプションをさらに改良したものだ。Android 9よりもジェスチャーに正確に反応するようになるなど効率性、快適性が高まった。特にジェスチャーによるアプリの切り替え処理が高速になった。

エッジから左右にスワイプすることでアプリを切り替えることで「戻る」ボタンそのものが必要なくなったている(設定アプリの「システム」から変更する)。スワイプのタイミングによってはナビゲーションドロワーが引き出されることがある。実は「ことがある」と書いたもののこれはかなりイライラさせられる経験だ。うまく行くときもあればうまく行かないときもある。プライバシーとセキュリティ関連のアップデートもいくつかある。位置情報データの設定がきめ細かくなった。広告設定も以前よりいくらか目立つデザインになっている。

Google Playアプリがアップデートされ、重要なバグフィックスやセキュリティ機能のアップデートがGoogle Playストアから直接プッシュ配信できるようになった。つまりAndroid OS全体をアップデートしなくてもパッチを導入できるわけだ。Android OSのアップデートのサイクルは遅いのでこれは重要な新機能だ。Googleではシステムをモジュラー化してコアとなるOS部分とセキュリティやプライバシーを管理する部分を切り離していく戦略だ。

あと2つの重要な新機能はまだベータ版のままで、一般に配信されるのはもう少し待つ必要がある。ひとつはフォーカス・モードで不要なアプリを隠して当面の作業に集中できるようにする。これはまだベータ版のみだ。デバイスの利用時間をモニターするデジタルウェルビーイング系の機能だが私の場合、たいして生産性の向上には寄与しそうない。

もうひとつの目玉はあらゆるビデオ、オードィオのコンテンツに自動的に字幕を付加するLive Caption機能だが、こちらは秋にPixel向けに公開されるという。こちらはさざまなユースケースが考えられるの期待大だ。

もうひとつAndoroid 10からは折り畳みデバイスがサポートされるようになった。

以上簡単に見てきたが、あくまでアップデートのごく一部に過ぎない。パフォーマンス、使い勝手の向上のためにさまざまな改良が行われtいる。ただしほとんどのユーザーは特に新バージョンを意識することなく現行Androidの延長として利用を続けられるだろう。ダークモード、ジェスチャー・ナビゲーションなどの大きなアップデートもオプションなので利用するためには積極的に選択する必要がある。しかしこうした漸進的改良はモバイルOSのアップデートにあたってきわめて適切な方向だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

この記事はTechCrunch Japanからの転載です。

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