ディズニーとコムキャストによる、21世紀フォックスの資産の買収合戦は、ディズニーに有利に動いたようだ。


両社は今月、莫大な買収額を提示したが、エンタメ情報サイト『The Hollywood Reporter(THR)』によると20日、ディズニーが入札額を引き上げ、何と713億ドル(約7兆8000億円)という大金での買収を提案した。その後ほどなくして、21世紀フォックスがディズニーの提示額に合意したと米経済紙『The Wall Street Journal』が報じた。

ディズニーの提示額は現金と株式の組み合わせで713億ドルとなり、コムキャストが6月13日に提示した現金だけの650億ドル(約8兆1500億円)を上回る。フォックスは20日のプレスリリースで、ディズニーの高額な提案のほうが"優れている"として、この取引がシェアホルダーにより大きな利益をもたらすとして、乗り気だ。

21世紀フォックスの執行役会長であるルパート・マードック氏はこう述べた。「我々は21世紀フォックスで作り上げた事業を、大変誇りに思っています。ディズニーとの提携は、シェアホルダーたちへさらなる価値を提供できると固く信じています。新生ディズニーがこの激動の時代に我々の業界で、引き続き先導役となってくれるでしょう」

ディズニー側としては、彼らが狙っているFOXの資産が、この"Netflixの時代"に、いかに有益かを強調している。ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は、今回の取引によって"消費者直結型の流通"が向上し、それが消費者満足につながるだろうと強く主張している。

20日の展開ではディズニーが有利のようだが、取引成立に至るには司法省の承認が必要だ。同社は自身の提案が少なくともコムキャストの案よりは好条件だと確信しているようだ。

"コムキャストに比べて、我々のほうが、承認においても、承認のタイミングにおいてもよりチャンスがあると信じている"アイガー氏はこう述べている。

テクノロジー系情報サイト『Ars Technica』によると、コムキャストが今後、提示額を引き上げることは可能だが、今後の予定についてコメントは出ていない。

■参照リンク
http://www.moviefone.com/

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