著書『ホーキング、宇宙を語る』などで知られるスティーブン・ホーキング博士が14日の朝、76歳で亡くなった。
これを受け、2014年公開の映画『博士と彼女のセオリー』でスティーブン・ホーキング博士役を演じ、アカデミー主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインが、「今まで会った中で一番面白い人だった」とホーキング博士に哀悼の意を示した。
運動機能が失われる神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、車椅子での生活を余儀なくされ、コミュニケーションのためにコンピュータープログラムによる合成音声を使用していたホーキング博士は、数学の教授となり、最終的にケンブリッジ大学で理論的宇宙論の教授になった。
『The Telegraph』によれば、レッドメインは役作りのために会ったホーキング博士についてこのように語っているという。「私たちは真に美しい心を持つ、偉大な科学者を失いました。私がこれまで出会ってきた中で、博士ほど面白い人はいません」
「私の親愛なる思いは今、博士のご家族と共にあります」
レッドメインは以前にもホーキング博士との出会いについて「人生で最高のひと時だった」と語っている。
「博士が映画を観ていたとき、私はリハーサル中で事前に会うことができなかったのですが、博士が撮影所に現れた直後に、私はこう言ったんです。"スティーブンさん、すごくドキドキしますが、どうか率直にご感想を聞かせてください"って」と、レッドメインは語る。
「彼はしばらくしてからあの声で答えてくれました。"いい感想もそうでないことも、お話ししますよ"って」
幸い、映画を観たホーキング博士はとてもうれしそうだったという。
ホーキング博士も自分のFacebookページでレッドメインについて称賛している。
「エディ・レッドメインは、『博士と彼女のセオリー』の中で私のことを非常に忠実に演じていたように思う。彼はALS患者と時間を共にしていたので、まるで本当の患者のようだった。時々彼が私なんじゃないかと思った」
「映画を観ることで、自分の人生を振り返ることができた。私は身体が非常に不自由だが、科学者として成功することができた。世界中を旅しているし、南極やイースター島まで訪れることができた。潜水艦で海の底にもぐったり、無重力も体験している。いつか宇宙にも行ってみたい」
ホーキング博士は最後にこのように締めくくっている。「私は自分の仕事を通じて万物のしくみを人よりも理解することができた。しかし、そこに人間がいなかったら実に空しい世界になるだろう。私は人間を愛している」
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