美しく、政治色が強く、そして環境に優しいという3拍子揃った作品を生み出せるアーティストは中々いない。しかし、水中に置かれたイギリス人アーティスト、ジェイソン・デクレアズ=テイラーの作品はまさにそれだ。
写真ではスーツとネクタイ姿の銀行員の像が頭を砂に埋める形でメキシコのカンクンの海に沈められている姿が確認できるが、これらのコンクリート像はジェイソンが数週間かけて生み出したもので、重さは1番重いもので5トンもある。このスーツ姿の不気味な光景は巨大な水中エキシビションの一部であり、エキシビション全体はシュノーケルとフィンをつけて楽しむようになっている。
イギリスのケント州カンタベリー出身のジェイソンは、この海中でのエキシビションを始めた理由を「ギャラリーでは作品を一定の方向からしか見られない。しかし、水中では像を飛び越えたり、像の間を行き交ったりすることができる」と説明している。
このエキシビションは、世界第2位の規模を持つメソアメリカの珊瑚礁から人を遠ざけ、保護することを目的としている。下記の映像から、ジェイソンが手掛けた海中アートを体感してほしい。
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