放送終了からまだ1年経っていない米オーディション番組『アメリカン・アイドル』が、従来のFOXとは別のテレビ局で復活するかもしれない。
『Variety』誌のスクープによると、同番組の制作会社フリーマントルメディアが現在、この大御所的な歌唱オーディションシリーズを復活させるべくNBCと交渉しているというのだ。同誌の情報筋によれば、フリーマントルメディアは『アメリカン・アイドル』新バージョンの引き受け先となるテレビ局を探し回っており、NBCがその有力候補として浮上しているらしい。ただ、交渉はまだ始まったばかりであり、NBCとしては話を進める前に、このリアリティシリーズを現行の放送スケジュールにいかに組み込むかを検討しなくてはならないと、『Variety』は強調している。
『アメリカン・アイドル』は、FOXでの15シーズンにわたる放送を2016年4月に終え、最終シーズンの平均視聴者数は910万人だった。これは、かつてテレビ番組のナンバーワンとして君臨していた頃の3,600万人という途方もない視聴者数に比べれば、遠く及ばない。とはいえ、し烈さを増している今日のテレビ界の状況を考えると、必ずしも侮れない数字なのである。
ともかくFOXは手を引いたわけだが、同番組の司会者を長年務めていたライアン・シークレストは放送終了前、『アメリカン・アイドル』がいつか復活する可能性を示唆していた。シークレストが最終エピソードの放送で、恒例のエンディングのセリフを「では、さようなら・・・しばらくは」とアレンジしたことは周知の事実なのだ。
このシークレストの予言が今、現実のものになろうとしているようだ。しかし、『アメリカン・アイドル』がNBCの放送スケジュールにどう収まることができるかは、定かではない。同局はすでに最大のライバル番組『ザ・ヴォイス』を放送しており、両者とも抱えてしまう状況は異様だろう(『Variety』によれば、NBCは『ザ・ヴォイス』の放送サイクルを年2回から年1回に移行することを検討しているという)。またNBCは他にも、『アメリカン・アイドル』の審査員だったサイモン・コーウェルがプロデューサーを務めるオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』、そして同じく『アメリカン・アイドル』の審査員だったジェニファー・ロペスが制作総指揮を務めるダンスコンペティションの新番組『World of Dance』(原題)といったリアリティシリーズを持っている。こうした類似のコンテンツがひしめく中、同局の番組表はさらに混み合うことになるだろうか。
果たして交渉がどのような結果を迎えるか、続報をお待ちいただきたい。
■参照リンク
http://www.moviefone.com/
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