女優ナタリー・ポートマンの夫として知られる、異端の天才振付師バンジャマン・ミルピエ。彼の"伝統"に対する挑戦を描き出すドキュメンタリー『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』が、12月23日(金・祝)より公開される。この度、オペラ座でのレッスン風景が切り取られるほか、ミルピエが自らの経歴やダンスに込める想いを率直に語る、映画の本編映像が解禁された。
https://youtu.be/FxIQ7sF5WCg
本作は、ミルピエが芸術監督として手掛ける新作公演「クリア、ラウド、ブライト、フォワード」完成までの40日間に密着し、パリ・オペラ座の貴重なバックステージをスタイリッシュに映し出す。
映像は、オペラ座バレエ学校でのレッスンを行うミルピエの姿と、鏡の前で自主トレーニングに励む一人のダンサーとしてのミルピエを捉える。ニューヨーク・シティ・バレエ団のプリンシパルとして活躍後、アメリカン・バレエ・シアター、マリインスキー・バレエといった世界の名門バレエ団に自作を提供するなど、「天才振付師」としての高く評価されてきた輝かしい経歴にも納得がいく、鮮やかな身のこなしで目を奪う。
さらに、ミルピエが自身の経歴を振り返る姿も。少年時代をセネガルで過ごしたミルピエは、アフリカンダンスとコンテンポラリーの教師であった母の影響でダンスを始める。この体験によって「自由と解放感を味わい、自己表現の喜びを学んだ」と振り返る。十種競技の選手だったという父親の影響もうけ、自身も12歳で棒高跳びを始めた。恵まれた身体能力が「技術」を支え、音楽の喜びや感情の発露としてのダンス表現が豊かな"芸術性"を育むことを語る。
そして、クラシックバレエはパートナーとの息の合った演技が求められることから、自分自身の内面に向き合うことで感性が豊かになり、パートナーとの協同性も高まっていく、と持論を述べている。「パートナーとの感情交換は、愛を交わす感覚と同じだ」との言葉には、踊り手としてのストイックさと同時に、無数の振付を生み出す表現者としての豊かな情緒を観るものに感じさせる。
映画の中では、パリ・オペラ座の伝統という名の窮屈さに苦言を呈するシーンや、ダンサーたちの健康状態を憂慮し自ら床面の張り替えを指示する姿もあり、「ミルピエ」という人間の"繊細さ"と"大胆さ"に心を掴まれるだろう。
映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』は12月23日(金・祝)より全国順次公開
©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDE DISTRIBUTION,BLUEMIND,2016
■映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』公式サイト
www.transformer.co.jp/m/millepied/
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