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メキシコには政治家も警察もいない街がある。このチェランという街は5年ほど前から、ギャングや麻薬シンジケートなどの犯罪者がはびこるメキシコにおいて、まるで独立した小国のような存在になっているという。

https://www.youtube.com/watch?v=wAGXNLu6a8E


ここチェランは政治家も警察も汚職まみれで、法律や正義から見放された状態。そこで彼らは、自分たちの街のために立ち上がった。まるでロバート・ロドリゲス監督によるB級映画のような話だが、実際メキシコでは「チェランの街に続け」とばかりに独立しようとしている村や街が増えたそうだ。

そもそもは2011年に、マフィアや麻薬シンジケートがアボカド農園を作るために森林伐採を始めたことが直接的な理由だった。町議会の中心人物であるマーガレット・ロメロさんはかつて、数名の女性たちと共にギャングたちのところへと赴いたという。彼女が「夫たちは農業を営み、家畜の世話をしています。もし水がなくなったらどうなってしまうのか?」と言うとおり、太古から綿々と続く森林の急激な減少は、水にも大きく影響する。街の人々は牧畜、農業が不可能になり、街は経済的に崖っぷちに立たされてしまうのだ。

しかし、事態はそう簡単ではなかった。マーガレットさんたちは激しく罵倒され、武装したギャングたちに追い返されてしまう。そこで彼女たちが考えたのが"検問"だった。地域全体で協力して、街へ出入りする車両や人間を厳しく監視するという計画に打って出たのである。

そして同年4月、勇敢な彼女たちによる検問は功を奏し、伐採労働者たちの車両を検挙して数名を人質として捕らえるに至った。街の教会は危険を知らせるために鐘を鳴らし、直後にやってくるであろうギャングたちに備え、人々はマチェーテ(いわゆるナタのような山刀)や棍棒から石まで、ありとあらゆる武器をもって立ち向かった。これはギャングに捕らえられた街の人々を取り返す戦いでもあったのだ。

対峙した相手陣営には、なんと地元政治家や警察までが顔を揃えていた。マルガリータはその日のことを「ホラー映画のようで、悪夢のようだった。でも私たちが執れる最後の手段だった。やれることをやったんだと思います」と、しみじみ振り返る。


https://www.youtube.com/watch?v=-GVAOSZBV9s


その後、警察や政治家は犯罪者と共謀したとして街から追放。チェランの4つの地域から各代表が選挙により選ばれ、街は地元の男女で構成された自警団と議会を発足させた。今も同地域には厳しい検問をクリアしなければ通ることはできない。「そんな自治を続けることなど不可能だ」と言う周囲の声を尻目に、チェランの街は5年も現体制を維持している。昨年は、殺人も誘拐事件も一件も出さないという奇跡的な記録を残しており、夜中に出歩いても安全だというから凄まじい成果だ。

10キロ離れた周囲の街では今も犯罪がはびこっているというのに、この街の現在は奇跡的と言えるだろう。アルコール中毒の問題が残っているくらいで、少なくとも傷害などの犯罪はほぼないそうだ。そして不当に伐採された17000ヘクタールぶんの木々は現在、3000ヘクタールにもわたって種を蒔かれ、自警団が土地をパトロールしている。木材が必要な場合は許可が必要だ。

そんなチェランはメキシコ全土の中小規模の街から理想のモデルケースとして注目され、実際に同じような試みがなされている。しかし、当然ながら全てがうまくいくわけではない。チェランの人々が言うには、成功したのは「地域の人々や家族たちの団結力のおかげ」とのことで、地元民や家族が結束して暮らし、誰もが顔見知りで密接という環境が重要なのだろう。

メキシコの犯罪率は増加しているし、チェランの街の周囲に再び腐敗が再び迫ってくることも可能性は高い。しかし、チェランに住む18歳の少女メリッサは言う。

「街の誰か一人でもこの体制を守り続けたいと言うのであれば、私たちはその意志のために立ち続けます。私たちは食い止めるべきものを食い止め、他の地域にできなかったを実現したのです。そのことを心から誇りに思っています」

■参照リンク
http://www.odditycentral.com/



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