戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の小説「沈黙」を巨匠マーティン・スコセッシ監督が完全映画化した『沈黙-サイレンス-』が、2017年1月21日(土)より全国公開される。
17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを、壮大な映像で描いた本作は、本年度アカデミー賞最有力と注目される歴史大作。スコセッシが1988年に原作と出会ってから28年、読んだ瞬間に映画化を希望し、長年に渡り暖め続けてきたという待望のプロジェクトだ。
この度、窪塚洋介が演じるキチジローと、通辞役となる浅野忠信の場面写真が解禁された。
棄教したとされる師の真実を確かめ、布教するために日本を目指す若き司祭ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)は、長い旅の中継地であるマカオで、日本人キチジローと出会う。窪塚洋介が演じるキチジローは、ふたりの司祭を長崎へと導くガイドとなり、その後のロドリゴの軌跡に重なって登場し、信念に生きようとする司祭と対比を為す重要なキャラクター。人間の弱さを抱えるキチジローを演じた窪塚に対してスコセッシ監督は、「力強く演じているだけではなく、心から正直に演じていて、役を心底理解していた。目の前でキチジローが作り上げられていくのを目の当たりにした」と絶大な信頼を寄せている。今回解禁された場面写真は、山中で木の枝を持ったキチジローの姿をとらえる。長く伸びてボサボサの髪にヒゲを蓄えて、原作中に「襤褸(ぼろ)をまとったこの男」と表現されているとおり、衣類はかなりくたびれている様子だ。
そして、通辞役の浅野忠信は、長崎奉行にとらえられたロドリゴに棄教を迫る通訳として、流暢な英語を披露する。浅野の場面写真は、長崎の奉行屋敷での通辞をとらえたカット。背筋を伸ばして鎮座し、凛とした佇まいで誰かを見つめるその姿が印象的だ。「監督とのオーディションで言葉を超えた感覚を共有できた」と語る浅野に対してスコセッシ監督は、「彼はキチジロー役のオーディションを受けたが、過去の出演作品を観て、通辞役が良いのではないかとオファーした。結果はパーフェクトだった」と語っている。
遠藤周作が原作執筆にあたってテーマとしたのは"人間の弱さ"。強い信念を持って日本にたどり着いた若き司祭ロドリゴに執拗にまとわりつくキチジロー。一方、狡猾な言葉を繰り出して宣教師の信念を屈服させようとする通辞。窪塚洋介と浅野忠信が演じる二人の日本人キャラクターは、物語の鍵を握る重要なキャラクターだ。
映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土) 全国ロードショー
Photo Credit Kerry Brown
■映画『沈黙-サイレンス-』公式サイト
chinmoku.jp
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