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『手紙は憶えている』を手がけた巨匠アトム・エゴヤン監督が影響を受けたのは伊丹十三監督! 日本映画フリークな一面を明かす

2016/10/20 21:30 投稿

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70年前に愛する家族を殺されたアウシュヴィッツ収容所の生存者によるナチスへの復讐の旅を追った物語『手紙は憶えている』が10月28日(金)より公開される。


旧い友人から託された1通の手紙をきっかけに、70年前の事件が動き出す――。ナチスに家族を殺されたゼブの復讐の旅は次々に新事実を浮かび上がらせ、物語は決して予想の付かない衝撃の結末を迎える!

第二次世界大戦やホロコーストを題材にした映画はこれまでにも数多く作り出されてきたが、本作はそれらと一線を画す作品になっている。主演に、オスカー俳優クリストファー・プラマーを迎え本作の監督を務めるのは『スウィート ヒアアフター』(97)、『白い沈黙』(14)の名匠アトム・エゴヤンだ。


日本の映画ファンからも熱い支持をうけるアトム・エゴヤン監督。そんなエゴヤン監督に、日本映画について話をうかがうと、「日本映画には非常に大きな影響を受けました。日本は豊かな映画の歴史を持っていて、黒澤明監督、小津安二郎監督、溝口健二監督はもちろんですが、今活躍している世代にも好きな監督はたくさんいます。中でも是枝裕和監督は友人でもあり、来日した際には対談もしました。彼の作品は初期のドキュメンタリーからずっと見ています」とかなり多くの日本映画を観ているようである!

また、「若いときに大きな影響を受けたのは伊丹十三監督です。彼の作品はユーモアが溢れていて、『マルサの女』(87)、『マルサの女2』(88)は大好きです」と、伊丹十三監督に関しては特に熱い思い入れがあることを明かし、「役者としても非常に素晴らしい方で、森田芳光監督作『家族ゲーム』(83)は私にとって重要な映画です。素晴らしい(ブラック)ユーモアにあふれている映画だと思います。まるでピエル・パオロ・パゾリーニの『テオレマ』を日本の家庭に置き換えたような作品ですよね!」と続けて語った。


第二次世界大戦やナチスを題材にしながらも、現代を舞台に撮り上げた本作については「これは第二次世界大戦という題材を、現代の、現在進行形の問題として描くことのできる最後の映画になるでしょう。その時代特有のトラウマが世代を越えて、どのように屈折していくか。私はそこに一番興味があります。『アララトの聖母』(02)で描いた問題も、『手紙は憶えている』で掘り下げたテーマも、まさにそこなのです」と自身の過去作と共通したテーマを描いていることを明かす。

エゴヤン監督が「歴史的な出来事が、加害者の子どもたちや被害者の子どもたちに、どういった影響を与え、思いがけない形で彼らの人生をねじ曲げてしまうのか。どんな結果をもたらすのかは誰にもわからないことで、予期せぬ変化を映画の中で追いかけていくことになっていきます」と語る通り、ホロコーストの悲劇から70年経った現在だからこそ生まれた作品なのかもしれない。


さらに、日本のファンに向けて、「日本を訪れる度に強い映画愛を感じますし、この作品を日本のみなさんにご覧頂くことができてとても嬉しいです。クリストファー・プラマーをはじめ、80歳を超える素晴らしい役者たちが人生最高といえる演技を披露してくれていると思います。ぜひ、楽しんでください」とメッセージを送っている。


映画『手紙は憶えている』は10月28日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

(C)2014, Remember Productions Inc.

■映画『手紙は憶えている』公式サイト
remember.asmik-ace.co.jp

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