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じめじめ怪談、心霊シーズンの今、家に籠ってでも絶対みとくべきホラー映画はこれだ!

2016/07/02 21:30 投稿

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お化け屋敷に怪談、心霊番組...今年も「怖い話」の季節がやってきたが、そんな季節にぴったりのゴシックホラー映画をご紹介しよう。


その作品とは、7月3日にブルーレイ&DVDがリリースされたばかりの『クリムゾン・ピーク』である。監督はかの鬼才ギレルモ・デル・トロ。

自著小説のテレビシリーズ化「ストレイン 沈黙のエクリプス」をはじめ、現在も複数のプロジェクトを抱えるデル・トロ。彼の監督最新映画となる本作は、人間の愛と狂気が生む恐怖を描くゴシック・ロマンスだ。ちなみにこの作品、毎年、優れたSF・ファンタジー・ホラー作品に贈られる「サターン賞」では9部門にノミネートし、見事、ベストホラー映画賞を含む3部門を受賞しており、評価も非常に高い。

主人公のヒロインは男社会で作家の才能を認められず、実業家のトーマスと結婚してイギリスへ。義姉ルシールと3人で「クリムゾン・ピーク(深紅の山頂)」と呼ばれる丘の上の屋敷で暮らすうち、亡霊と悪夢に導かれ、この地に潜む恐ろしい秘密に近づいていく、というストーリー。

デル・トロは、愛読書レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」と本作が「よく似ている」と語る。父と暮らす娘の元を、ある人物が訪れて運命が一変。物語は娘の手記という形で始まり、幼少期の彼女が寝室で亡霊と遭遇、床を這う怪物や古い肖像画がカギとなるなど類似点は多い。没落貴族トーマスの古びた服も吸血鬼っぽいし、イーディスに本来の目的を隠して好意を見せるルシールは、ローラの血を吸うために誘惑するカーミラに重なる。そもそも「クリムゾン(深紅)」は血肉の色。雪を染め、壁や床から浸み出す赤粘土は、まるで屋敷の体液。血=生命を吸い尽くすか怪物の棲家にふさわしい。

監督はこの映画を「最も暗いおとぎ話」とも評する。「古い屋敷」に「禁断の扉」があったり、主人公は「毒」を盛られながらも「謎の鍵」を手に「怪しげな地下室」へ足を踏み入れて「暗い過去や秘密を発見」し、「闇と向き合って成長」するプロットは確かにおとぎ話の定番だ。

・・・とはいえ、「信じれば叶う」「清く正しい者が勝つ」などの甘い言葉でごまかさないのがデル・トロ流。子供にはトラウマ必至の『パンズ・ラビリンス』(2006)も「現状に不満な少女が試練を経て大人になる」物語だった。主人公が本当の自分や居場所を探すのはファンタジーの定石だが、実際は外の世界へ探しに行っても自分はほぼ見つからないし、ハッピーエンドとも限らない。

「幽霊や魔物より恐ろしいのは人間」とのテーマも、両作品に共通している。怪物の姿形はグロテスクでも、歪んだ欲や愛から凶行に及ぶのはむしろ人間のほう。人間の残虐性と醜悪さをデル・トロの映像美が引き立てる。

驚かせて怖がらせるのではなく、じわじわと忍び寄り、後に残る恐怖。この夏、怖い話を堪能したければ、まずはこの映画を見てみることをおすすめする!



『クリムゾン・ピーク』ブルーレイ&DVD 発売、レンタル中
ブルーレイ&DVD セット 価格:3,990 円+税
発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
(c)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

■参照リンク
『クリムゾン・ピーク』公式サイト
http://crimsonpeak.jp/

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