メイヤー・ホーソーンのアルバム『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ』は、カテゴライズが難しい作品だ。ホーソーンのファンだと言うダリル・ホールはこの作品を、「オールドスクールなR&Bとヒップホップのエッセンスを取り入れた、クラシック・ネオ・ソウル」と呼んでいる。今回、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのそのメイヤーにインタビューを試みた。ライブからレコードに至るまで、彼のこだわりが伺える。
ジェームス・ブラウンだよ。僕が観た時は既に高齢だったけど、魔法のような勢いがあった。素晴らしかったよ。何も衰えてはいなかった。僕は完全にぶっとばされたね。僕のバンドは、アメフトのチームのようなものなんだ。ライブをやったら映像を振り返って、どこが上手く行ったか、どこがもっと良くなるかを分析する。昨日よりも今日を良くしようと努力して、お客さんに金返せって言われないようにしているのさ(笑)。僕はまだ若いし、まだまだ楽しみたい。僕は残りの音楽で過ごしていきたい。記憶に残るような物を作りたいんだ。音楽はタイムレス。だから、みんなが忘れないようなライブをやり続けられればと思っているよ。
ソウルシンガーになろうとは思っていなかったそうですね。
僕はヒップホップがやりたかったんだ。僕がLAに移ったのはラップがやりたかったからでね。ストーンズ・スロー・レコードのボス、ピーナッツバター・ウルフに会って、自分のヒップホップのデモを渡した。でも、「俺はあんまり好きじゃないな」って言われてさ。でも、サンプリングで訴えられたくないから、サンプリング用のネタを自分で演奏していた方のデモを凄く気に入ってくれてね。彼は、「お前なんか間違ってないか? お前はソウルのレコードを作るべきだよ」って言ってきた。そこで僕は「そんなのはやりたくないよ。僕はヒップホップがやりたい。でもあなたがそう言うならやってみるよ」って返したんだ。彼は正しかったってわけさ。ストーンズ・スローの凄いところはそこだね。素晴らしい耳を持っているんだ。
ダリル・ホールとの共演はいかがでしたか?
人生で一番楽しかった出来事だったよ。ダリル・ホールと一緒に「プライベート・アイズ」を歌って、踊ってね。これ以上のことはないよ。
ダリルと話したのですが、あなたを褒めちぎっていましたよ。
ワオ。そりゃ大変だ! 実は彼が昔テンプトーンズというグループにいたことは、あまり知られていないんだよね。彼は小さい時にこのドゥワップ/ソウルのグループにいたんだ。彼の才能は輝いていたよ。最高だよね。僕のヒーローの1人さ。彼はフィラデルフィア近郊の出身だし、本当のソウルを知っているんだよ。
あなたはまだ若いですが、音楽的には古き良きソウルのスタイルだと思います。あなたの音楽性を形作ったソウルのレコードについて教えてください。
えー(笑)! ちょっと待って。アークティック・レコード時代のバーバラ・メイソン全部。特に「Don't Ever Go Away」は最高。あとは、マイク・ジェイムズ・カークランド。彼はマイク・アンド・ザ・センセーションズってグループにいたんだ。「There's Nothing I can Do About It」ってレコードが最高さ。
あなたはかなり昔の曲も知っているようですね。あなたの年齢では珍しいと思います。
僕は昔からレコードのファンだった。僕が小さい頃、両親はおもちゃの代わりにレコードを買ってくれた。僕は昔からレコードを集めていて、DJもずっとやっている。両親に感謝したいね。彼らは沢山のレコードを持っていて、僕にその魅力を伝えてくれたんだ。
■関連リンク
デーモン・アルバーン、デビット・ボウイやレイ・デイヴィスとのレコーディング秘話を語る
ミューズのマット・ベラミー、ニュー・アルバムについて語る
メイシー・グレイ、スティーヴィー・ワンダー『トーキング・ブック』のカバーALについて語る
| Email this | Comments