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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/03/28
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
岡田斗司夫が、1995年から2001年に「テレビブロス」誌で連載していた『オタクの迷い道』から、セレクトしてお届けします。

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連載第7回「オタクだって絵の描けない奴はいるんだ。ふん。」 


 朝日新聞社から出ている『ぼくたちの洗脳社会』は買ったか?
 
 昨年末に出版された僕の処女出版だ。
 初版は五千部。
 日本全国に本屋は三万件、そこにたった五千部だ。
 大抵の本屋には無いぞ。
 大型書店に行って店員に『ぼくたちの洗脳社会』下さい、と言って出して貰ってくれ。
 急がないとそろそろ返品、裁断だぞ。

 では本題だ。
 「アメリカのオタク特集」が、ニュースステーションでオンエアされた。
 アメリカン・オタクたちにも国際的に尊敬されている僕が、「オタキング・オカダ」とサインする大バカな姿が日本全国に放映されたわけだ。

 アメリカのオタクたちは「ナニカ絵ヲ描イテクダサーイ!」と言って譲らない。
 仕方なく僕は17才の頃から毎日練習したヤマトを描くことになる。
 それもオンエアされた。

 これを観て喜んだのが東京大学で僕のゼミを取っている連中だ。
 あいつらは生協で僕の本を買ってきて「先生、ヤマト描いて下さい」と笑いやがる。
 悔しかったので「じゃ、お前ガンダム描いてみろよ!」というと、その一人が黒板にスラスラと描いた。
 ふん。うまいじゃねーか。

 「じゃ『超生命体トランスフォーマー』のコンボイ司令官描いてみろ!」
 すらすら。
 「VF−1Jバルキリー描いてみろ!」
 すらすら。
 「じゃ、『さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち』に出てきた地球連邦軍旗艦アンドロメダ、描いてみろ!」
 「か、描けません」

 ふん。
 僕にオタク勝負を挑もうなど一億年早い。
 鼻高々に僕は「さらば宇宙(略)ドロメダ」を描き始めた。
 六角形の拡散波動砲が二門、鑑首にあって…。
 
 描けない。
 六角形が二つしか描けない。
 オタキングと奢り高ぶった僕も、基本からやり直しだというのか?(冨野セリフ)

以上、『オタクの迷い道』よりお届けしました。